市政の動き−議会報告
【24.06.02】NO.2228このままでは制度崩壊の危機 低所得者に過酷な負担強いる
被保険者は減少、給付額は増加 これではでは財政はもたない
今年の３月議会で国保税の増額改定が行われ、まもなく国保税の納入通知書が送られてきます。今年度は14・6％（１人平均１万７５４４円）の値上げです。大幅値上げは今後も続き、市の試算では令和11年度の一人平均国保税は令和５年度比で７万４千円増になるとしています。このままでは国保制度が崩壊します。国保の抱える構造的問題とは何でしょうか。
国保の最大の問題は無職・高齢者が大半
知立市の国保被保険者の年齢構成は表�，里茲Δ�60歳から74歳の人が50％以上を占めています。
75歳以上の人はすべて後期高齢者医療保険に移行します。
同一年収で国保税は 協会健保の2倍強
他の健康保険は扶養家族の数に関係なく被保険者の標準報酬月額のみで保険料が決まります。標準報酬月額は毎年４月から６月の総収入の平均額で決まり、一時金からも同一比率で徴収されます。中小企業の従業員が加入する協会健保の介護保険対象者の令和６年度料率は11・62％で事業主と折半となり、被保険者は5・81％です。
国保税は年間所得に所得割比率を掛ける所得割と世帯ごとにかかる平等割、家族ひとりごとにかかる均等割で構成され、医療分、後期高齢者支援金、介護保険分を合算した額になります。年収４００万円、４０歳、扶養家族が妻と小学生以上の子ども２人の例で国保と協会健保の比較を表�△房┐靴泙后�
国保は社会保障制度として国庫負担を増やせ
国保は元々は農家や個人事業主等の非給与勤労者が多くを占めていましたが、現在は定年退職者や非正規雇用や失業者が被保険者の大半を占め、医療費はかかるのに収入は少なく、助け合いを基本とする保険制度になじみません。
１９８４年までは総医療費の45％であった国庫負担率を38・５％に変え、国庫負担率を大幅に縮減してきました。その分国保税の負担が増えました。さらに今国会の子ども・子育て支援金を国保にも負担させようとしています。
国は１兆円を投入し、均等割・平等割廃止に
国保税に人頭割ともいうべき均等割や平等割があることが他の健保より保険料が高くなる原因です。現行の均等割・平等割保険料の総額は１兆４６００億円で、その内４４００億円は法定減額で公費が投入されています。全国知事会は国に１兆円の公費投入の必要性を訴えています。
県域化をするなら 県も独自補助の拡充を
国保税の引き上げは納められない人を増やし、低所得者の家計を壊すだけでなく、国保会計も圧迫します。子ども医療費の補助だけでなく、多人数世帯、障害者・寡婦・ひとり親に市町村独自の所得控除を設け、所得割を軽減している自治体があります。（川崎市、名古屋市、岐阜市、神戸市など） 名古屋市は障害者・寡婦・ひとり親の控除対象者は92万円、扶養家族は一人33万円が国保税の対象所得から控除されます。
