市政の動き−議会報告
【24.06.09】NO.2229 万博予定地で「ガス爆発」 爆発下限界以上のメタンガスが
修学旅行先に選んでいいのか 知立教育長に慎重な対応を要請
来年４月開幕に向け急ピッチで準備が進む大阪・関西万博。会場予定地の人工島「夢洲」で今年３月ガス爆発が発生しました。その直後の４月８日付で文科省は各都道府県教育委員会に「修学旅行等における大阪・関西万博の活用について」の事務連絡を出しました。日本共産党市議団は６月３日、宇野教育長に面会を求め、資料提供と共に慎重な対応を申し入れました。
夢洲１区は現役の廃棄物処分場、メタンガス発生
３月28日万博の屋外イベント広場で建設中のトイレ１階で爆発があり、コンクリート床など約１００�屬鯒紡擦靴泙靴拭Ｋ�博協会は溶接作業で発生した火花が床下ピットにたまっていた可燃性ガスに引火したと発表。事故が起きた夢洲１区は現役の廃棄物最終処分場であり、地中から発生するメタンガスを79本ものガス抜き菅で大気中に放出し続けています。メタンガスは天然ガスの主成分で、滞留し、火気があれば爆発します。 さらに、大阪広域環境施設組合の調査結果で、21年夏期に５８０�圈親�であった夢洲１区のメタンガス発生量が23年には１日２トンにまで増えていることが判明しました。（下表）
大阪府教職員組合は「開催中も同様の事故が起こる恐れがある」として、府が実施する子ども招待事業の見送りを求める事態に発展。
チケット販売が始まっても意向調査で「行く」「行きたい」は２年前より18ポイント減少し、33・8％となり開催が危ぶまれている事態です。そんな中、万博推進本部が文科省に万博の広報を依頼した結果の「事務連絡」のようです。
修学旅行先選定は 各学校長の判断だが
共産党市議団は教育長との面談で、衆院文部科学委員会での宮本岳志委員の議事速報を渡し、「修学旅行や遠足は学習指導要領の解説や通知においてその実施に当たって、事故防止のための万全の配慮をすること等を求めている」との
大臣答弁を示し、慎重な対応を要請しました。それに対し、教育長からは「修学旅行については２年前ぐらいから生徒の希望調査や、行先の選定、下見などを行ったうえで、各校長の判断で実施している。教育委員会は情報提供はするが、行先についてどこへ行けとも行くなとも言えない」が、万博について文科省からの事務連絡に合わせ、爆発事故に関する情報も提供したと答えました。
大阪府の学校意向調査に疑問の声
大阪府は万博への子ども無料招待をめぐり、府内の学校の意向調査を実施しました。招待対象の73％が「希望する」とした一方、18％が「未定・検討中」と回答。未回答は約8％。この意向調査に対して学校関係者からは、回答欄は「希望する」と「未定・検討中」の２択しかなく、希望しないと後で申し込んでも無料にならない恐れがあるので、とりあえず「希望する」としたとの声も。
問題山積の大阪万博は中止すべき
大阪万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」として持続可能な社会をめざすとしています。莫大な予算を使い、万博の後にはカジノを誘致。メタンガスは爆発の危険だけでなく、ＣＯ２の22倍の温室効果があります。地球温暖化を促進する温室効果ガスを出し続けている万博会場が未来社会のデザインになるでしょうか。まず、メタンの放出を止めることが先ではないでしょうか。
