市政の動き−議会報告お知らせ

【25.02.16】NO.2262 高額療養費制度は癌などで長期にわたり高額な医療費を払う患者・家族にとって「命綱」

低所得者を含めすべての所得層で支払上限を引上げる改悪は許せない。白紙撤回を

   高額療養費制度は、癌などで長期にわたり治療を受けて高額な医療費を払う患者・家族にとって「命綱」です。政府は2025年度予算案に、低所得者を含めすべての所得層で支払上限を引上げる改悪を盛り込みました。法改正を伴わないため、予算が通れば大巾負担増となります。がん患者団体等から白紙撤回を求める声が上っており、日本共産党などが国会で白紙撤回を求めています。

全がん連の改悪反対アンケートに切実な声が

   一般社団法人全国がん患者団体連合会(全がん連)は、2025年1月17日午前7時から1月19日午後5時に、高額療養費制度の負担上限額引き上げ反対に関するアンケート」をオンラインで実施、短期間に3623人が回答をしました(下囲み参照)。内容は切実で身につまされるものばかりです。
 知立市の令和5年度決算では、悪性がんの医療件数は3063件、1件当り約21万1000円(上表参照)もの負担となっています。継続的な治療を要する市民にとって、高額医療費制度はなくてはならない制度で、負担上限引き上げは死活問題です。
 下表は進行性乳がん患者の負担例で、耐え難い実態です。

上限引き下げこそ必要 非課税者にも容赦なく

 政府案は、上限を3年間にわたって段階的に引上げます。
◆70歳未満で年収約370万〜770万円の人は、現行の上限月約8万100円が今年8月から約8100円上がります。
◆26年からは所得区分が細分化され、最終的に年収510万〜650万円の人は現行の1・4倍の11万3400円、650万〜770万円の人は1・7倍の13万8600円になります。
◆住民税非課税の人(70歳未満)の上限額は現在、月3万5400円です。住民税非課税となるおよその目安は(単身の被雇用者)は年収100万円以下で、現状でも負担は重すぎます。上限引き下げこそ必要ですが、これを3万6300円に引き上げます。70歳以上の外来診療の負担限度額も、収入によって月5千円〜1万円引き上げます。負担増は受診抑制を招くものであり、白紙撤回すべきです。  

一般社団法人全国がん患者団体連合のオンラインアンケートの回答抜粋

  ◆夫と子供と暮らす20代、現在治療中です。残された時間は家族との時間を大切にしたいと思っています。高額療養費制度のおかげで、働けない時間の分、家族の時間を大切にできています。負担額が増えてしまうのは経済的にも精神的にもかなり辛いです。生活できません。どうか引き上げるのはやめてください。お願いします。(20代 女性)

◆今は高額療養費でなんとか賄えています子供も2人いるので、もし値上げとなれば、子供たちの学費などをまかなえなくなってしまいます。私もガン治療をやめなくてはならなくなります。子どもたちと少しでも長く生きていきたい、値上げは控えていただきたいと存じます。(20代 女性)
◆とても反対です。毎日の抗がん剤内服薬で15年生きてきました。年収の内に対する、薬代の費用があがれば最悪、命を捨てることになります。今から子どもも生まれてきます。まだ考える余地があるはずです。              (男性 30代)
◆私はステージIVの乳がん患者です。ベージニオという薬が3割負担でも月に10数万円と高額なため、高額療養費制度を使っています。がん治療は薬の副作用が強く、通院や検査も定期的にありフルタイムで決まった営業日のマックスは働けなくなる方もたくさんいます。がんだけでなく難病の治療や手術、入院で利用する方もいるため、上限額の引き上げは回避いただきたいです。     (40代 女性)
◆2年前のがん治療の際、化学療法や投薬のため、1年半ほど高額療養費制度を利用しました。この時の金額でも家族に負担をかけることが辛かったです。将来、収入が減った後に再発してエンドレスに投薬治療が必要になった時に、自己負担額が今より大きくなっていると、もう治療は諦めるしかないと思います。お金のない人は標準的な治
療でも諦めるしかない、これからはそうなってしまうのでしょうか。   (50代女性)

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