市政の動き−議会報告
【16.10.17】《9月議会決算審査》公共施設保全計画実施に暗雲：重くのしかかる駅周辺整備事業
１００億円の西新地再開発事業・・林市長「Ｈ35年完了は難しい」
知立市は、施工中の駅周辺整備事業に加え駅南区画整理事業、西新地再開発事業を計画。総事業費1,000億円を超え、他の事業実施を圧迫しています。日本共産党は９月議会の決算審査で、財政見通しについてただしました。知立市の大きな課題のひとつに、高度経済成長期に建設された学校、保育園等の保全（改修等）事業があり、市は知立市公共施設保全計画を策定しましたが、予算化されない実態や遅れが明らかになりました。
保全総費用２８３億円・年平均９・４億円
知立市公共施設保全計画は、原則100�岼幣紊慮�共建築物109施設を対象に予防保全を実施し、鉄筋構造60年を80年に、鉄骨構造45年を60年に長寿命化する計画です。Ｈ27年度〜Ｈ56年度までの30年間を１期３年・10期の保全計画。予防保全の総費用額は283億円、年平均９・４億円を見込んでいます。
駅周辺整備事業で保全計画が遅れる状況
Ｈ27年度一般会計決算は、借金返済額16億３千万円で借金残高は約173億円。市は今後の財政見通しとして、駅周辺整備事業等の借金増大で、「Ｈ34年度が借金残高のピークで二〇四億円、返済額のピークはＨ37年度で19億円」と答弁。そして、「借入額と返済額を同額にし、財政規律を守る」と答弁しました。しかし、西新地再開発事業、公共施設保全計画の借金は含まれておらず不透明です。市は「借金残高240億円は危険ライン、そうならないようにしたい」と答弁しました。
日本共産党は決算審査で、市財政計画では公共施設保全計画の実施が困難ではとただしました。市は「保全計画のＨ27年度からＨ29年度の第1期計画達成は困難」と答弁。２期（Ｈ30年度〜Ｈ32年度）も困難ではとの問いに、市は「保全計画とおりにすすんでいかない財政状況」と答弁しました。
上表は第１期保全計画にある保育園等18施設の改修計画です。多くが×印で予算化できないのが現状、まったく先が見えません。
西新地再開発事業・・強引な事業化するな
都市計画整備部長は西新地再開発事業（20階建、概算事業費百億円）について、「Ｈ29年度に都市計画決定、Ｈ30年度に組合設立・事業着手」「Ｈ35年度完成」と答弁。しかし、林市長は委員会審議で、「Ｈ35年完成は難しい」「息の長い事業」「財政運営上困難」と答弁。市長が強調する「100年に１度の事業」の財政見通しは厳しい現状であり、強引に事業化をするべきではありません。
