市政の動き−政策・見解
【19.02.07】スクールソーシャルワーカーを小中学校に配置せよ
学校と福祉の連携。「福祉の視点」で児童・生徒を支える専門職
いじめや虐待、不登校など課題や困難を抱えた子どもたちや家族を学校で支援する社会福祉の専門職が「スクールソーシャルワーカー(SSW)」です。現在、県下23市町が国の補助金を活用し、配置しています。しかし、西三河の自治体では未だ、配置が遅れています。日本共産党は、子どもたちの権利を守ることも踏まえて、市へ「スクールソーシャルワーカーの配置」をと2019年度予算要望書提出。教育委員会は「配置している市町の成果を参考に検討」と回答しました。
学校で子どもに寄り添う 社会福祉の専門職
いじめ、不登校などの背景には、家庭や友人関係、学校など、それぞれの問題や課題が複雑にからみあっています。スクールソーシャルワーカー(以下、SSWという)は、心の相談を中心に行うスクールカウンセラー(心理職)や教員とも違う、第三者の立場で子どもたちに寄り添います。
家庭訪問や支援機関との調整を通じて、子どもが抱える課題を整理し解決に向ける重要な役割を果たします。 国は2008年度に配置事業をスタート。文部科学省の17年度調査では、全国で約4割の学校で配置されています。
なお、文科省はその資格を「原則、社会福祉士・精神保健福祉士」と定めています。
◎岡崎市や豊田市でも配置。教員の多忙化解消にも
愛知県下の自治体(左表)では、SSWとして社会福祉士などが配置しています。国は19年度予算案で、子どもの貧困対策に注目し、全中学区への配置推進を表明し、2,500人増員を予定(自治体への補助は事業費の1/3)。
日本共産党知立市議団の19年度予算要望に対し、教育委員会は、「教員との情報共有や会議の増加も予想され、課題もある。配置している市町の成果を参考に検討する」と配置には慎重な対応でした。しかし、今年1月の中央教育審議会答申では、経済的に困難な家庭の就学にかかる事務や、福祉機関との連携にSSWを活用することで教員の業務の軽減につながると報告。これは、喫緊の課題である、教員の多忙化解消も示唆する報告と言えます。
いじめや不登校児童支援 大学との連携も視野に
長久手市ではSSWを中学校区ごとに配置し、スクールカウンセラーや教員等とも連携した、いじめ対策や不登校児童支援体制を作り、課題の解決への取り組んでいます。これには、社会福祉士を養成している愛知県立大学の支援が大きな力になっています。
知立市と教育・福祉分野で連携・協力協定を結んでいる愛知教育大学では、福祉コース(社会福祉士養成課程)を設置、SSWの養成を進めています。知立市もぜひ、SSW配置に向け、さらに連携を強め、児童・生徒への支援体制作りを急ぐべきではないでしょうか。