市政の動き−議会報告
【21.03.10】no.2076 高齢者宅配給食、市が利用日に制限導入とは。栄養支援の目的に反する。
訪問介護や通所介護との同日利用は不可本会議質疑で制限撤回を求める
知立市議会３月定例会は３月２日、２０２１年度当初予算案の本会議質疑を行いました。日本共産党の牛野北斗議員は介護保険特別会計について質問。その中で市は、調理困難な高齢者への宅配給食サービス事業縮小方針を明らかにしました。牛野議員は給食事業の目的や重要性を再確認し、方針の撤回を求めました。
調理困難な高齢者への支援 利用者の７割が１人暮らし
高齢者宅配給食サービス事業は、現在、�＾貎擁襪蕕靴旅睥霄圈↓�高齢者のみ世帯で、調理が困難な人を対象に１日１食（昼食または夕食）、週７回以内で宅配給食を届けるものです。現在、宅配給食の利用者数は合計２１６人（１人暮らしが１５５人、高齢者のみ世帯が61人）です。ケアマネジャーや地域包括支援センター職員が本人や家族に、健康状態や食の状況（摂食・調理・食事回数・食事内容等）などの調査や客観的な評価（アセスメント）をもとにサービスの必要回数が決定されています。
宅配は市指定の給食事業者によって行われ、栄養士等によるカロリーや栄養バランスに配慮された献立が作成され、本人の身体状況にあわせ、普通食・刻み食・おかゆ食・治療食が提供されています。また、併せて安否確認も行われています。
市はケアマネに変更を通知 事業縮小に現場から疑問も
今回の宅配給食サービス事業の縮小について市は、ケアマネジャー等へ２月18日付の「宅配給食サービス事業における変更のお知らせ」で利用可能日について４月１日から変更することを通知。「必要に応じて、週７日までの昼食もしくは夕食を利用可能」としつつも、「原則、デイサービスまたヘルパー（食事支援有）等、他サービス等で食事が確保されている日は申請不可」としました。現在、サービスを利用している人の回数変更の調整を求めています。市通知に現場のケアマネジャーから牛野議員に「デイなどを使っている人の利用制限は問題では。高齢者の栄養的な食事は１日１食で良いのか」と疑問の声が寄せられています。
「昼はデイ、夜は配食で」 栄養ある食事の支援は重要
本会議質疑で牛野議員は、「栄養面で生活を支えることは重要。これまで、調理困難な高齢者へは、デイサービスで昼食。夕食は宅配給食を利用し、栄養のある食事支援が行われている。高齢者の食事支援は１日１回でよいと考えるのか」と市の認識を質しました。市は「自分で作ることも大切」と答弁するのみです。
縮小は「事務事業点検」によるコスト削減が目的か
また、市は縮小の理由を「事務事業点検の結果、制度の持続可能性を考え、見直した」と答弁。牛野議員の「縮小で影響を受ける人数は」との問に市は「具体的に検証していない。重要な事なのでこれから集計する」と答弁。事務事業点検は財政面から政策的に予算配分を検証するもので、コスト削減ありきで必要な事業削減は大問題です。日本共産党は事業縮小の撤回を強く要求しました。
