市政の動き−議会報告
【21.04.21】「公契約条例を21年度中に制定したい」と市が答弁。日本共産党の再三の提案が実現へ
公契約条例は「地域経済の健全な発展、市民福祉の増進に寄与」するもの
知立市は2020年12月議会で、公契約条例制定を表明しました。日本共産党は3月議会で、公契約条例の目的、制定時期等について質しました。市は「21年度中を目標に制定したい」と答弁。公契約条例は、千葉県野田市が2010年度に日本で初めて施行、その後、県レベルを含め条例を制定する自治体が増え、愛知県内でも11自治体(下表)が制定。日本共産党市議団は、市議会で何度も条例制定を提案してきました。
労働者の労働環境悪化を背景に公契約条例が誕生
建設業界は、工事を受注した元受けを頂点に何重もの下請け業者及び独り親方という構造になっています。公共工事はかって、「安ければ安いほど良しとされる風潮」があり、低価格での入札のもと、下請け労働者の賃金切下げが常態化するとともに、公共工事の品質確保が懸念されました。公契約条例は、公共工事に従事する労働者の労働環境の悪化を背景に、野田市が最低賃金を上回る賃金下限条項等を定める公契約条例を10年度に施行。その後、公契約条例の必要性が認識され、制定自治体が増え続けています。
市は基本理念を定めた 公契約条例を検討
日本共産党は条例制定の時期、目的はとの質問に、市は「21年度中を目標に制定したい」と述べ、「公契約に係る労働者の適正な労働環境の確保、その他の労働条件の確保、公共工事の品質確保を目的にし、公契約に係る基本理念、方針を明らかにし、地域経済の健全な発展、市民福祉の増進に寄与するもの」と答弁しました。
賃金下限条項の明記で 実効性のある条例を
日本共産党は、野田市のように条例で最低賃金を上回る賃金下限条項を定める実効ある条例にすべきと質しました。市は「実情に合わせ段階的進めたい。今の知立市の現状からそういったもの(賃金下限条項の規定)に取組んで行ける体制でない。国・県の状況、国の設計労務単価の状況を勘案しながら次のステップに進めるか検討したい」と答弁しました。
日本共産党は、賃金下限条項を定めた公契約条例を提案してきました。理念条例で「適正な労働環境の確保」を定めても実効あるものとはならず、賃金下限条項を含めて検討すべきと求めました。