市政の動き−議会報告
【21.09.07】保育の公私格差なくして。民間保育園が市議会に要望書提出、保育士給与の引上げなどを懇談
市議会に民間保育園の運営実態を紹介 「保育士の専門性」しっかりと認識を
８月31日、知立市議会は知立市民間保育園連盟（知立なかよし保育園、徳風保育園、猿渡保育園）とオブザーバーとして市内小規模保育園（さくらんぼ保育園、華の子ランド）の各園長と民間保育園の運営の現状について懇談。席上、「民間保育園は公立保育園と同じように保育指針に基づいて保育を行っている。運営費の補助充実を」「保育士の専門性を評価し、処遇の改善を」と要望書が提出されました。懇談には三宅副議長をはじめ11人の議員が参加、日本共産党市議団からは牛野北斗議員が参加をしました。
６項目の要望事項を議長に提出、改善取組み要求
知立市民間保育園連盟から市議会への要望内容は次の６項目です。
�〔唄峙詬身颪琉貳民娠槌餡宗�
�⊃遊鑒顱併�間外手当、休憩・事務時間、土曜保育など）の見直し。
�Ｄ翰�員の加配。
�け犲坊�て替えなどの建築費借入の全額負担化。
�ナ欅藥竜詬燭琉�き上げ。
�Δ修梁昌�項（保育士資格取得予定者への補助、保育士の配置基準の検討、人材紹介会社の紹介料への補助など12項目）です。
要望書の内容は市長へも提出をしているとのことです。今回の市議会への要望活動では「民間保育園は儲かる仕組みになっていないことに理解を。子育ちの根っこを育てるのが保育園の役割。ぜひ、市議会としても改善に取組みを」と訴えています。
保育業務の内容は多様になり専門的な知識も必要
懇談では保育士の確保や定着の難しさの背景には「保育の長時間化、保育の高度化、仕事量の多さ」があると保育現場の実態を紹介、保育園に求めるニーズが高くなり管理費は増大しているとしています。現在の保育士配置基準では対応が困難で、必要な保育士を確保するためには市からの運営費の補助が必要としています。また、虐待や保護者の心のケアなども保育園の重要な役割となる中で、福祉の専門職として「保育ソーシャルワーカー」の配置も必要になってくると紹介されました。
保育士の退職金共済 国の廃止の方針は問題
日本共産党市議団の牛野議員は保育士の処遇改善は保育の質をよくするためには重要な課題であり、議会でも改善を求めてきたことを示しました。そのうえで、退職金制度について園長に「国は現在、保育分野の社会福祉法人の退職手当共済に公費助成廃止を検討いているが。民間園はどう受け止めているのか」との質問。「市内３園は社会福祉法人で共済加入。廃止で退職金を自前で用意するのは困難。継続すべき」と表明。また、小規模保育園からは「そもそも小規模事業所には補助制度がない。同じように補助すべき」と意見がありました。
国の職員配置基準や補助単価引上げをこそ重要
そもそも保育に係る補助金は国が定める「公定価格」で算定。職員の配置基準の改善や、仕事に見合う価格に引き上げるなどの国の制度改善が重要です。市議会へは毎年、改善を求める陳情が出されています。今後の市議会での議論のあり方が注目されます。
