市政の動き−議会報告
【23.06.02】NO.2181 外国人市民との多文化共生について 浜松市、大泉市を視察(5/17〜5/18)
浜松市の外国人は87ヶ国、多国籍化が進展 定住化の進展、高齢化の進行への対応が課題
知立市議会企画文教委員会は、「多文化共生について」5月17日に浜松市、18日に群馬県り大泉町を視察・調査、日本共産党の佐藤おさむ議員が参加しました。浜松市の外国人市民は、87ヶ国・地域の出身者がおり、多国籍化が進んでいます。外国人市民の増加傾向、定住化の進展、高齢化の進行などに対応しつつ、外国人との共生を都市の発展に繋げようとしています。今号では、浜松市の取組の概要をお知らせします。
浜松市に27千人余(3・4%)の外国人が
現在、浜松市の総人口は約79万人で、在留外国人数は2万7036人(3・4%)を占めています。在留外国人は、ブラジル国籍9708人(35・9%)、次いでフィリピン4225人(15・6%)、ベトナム3923人(14・5%)中国、ペルー、インドネシア、韓国など87ヵ国です。南米出身者が4〜5割を占め、日系人やその家族が多く、1990年の出入国管理及び難民認定法改正施行(日系3世への定住を認定)以後に急増しました。知立市も同様の経緯で急増しました。
視察は公益財団法人浜松国際交流協会にて、浜松市の
担当職員から説明を受けました。
国際交流協会が 市施策の実施機関
浜松市の多文化共生の取組は、「浜松市多文化共生都市ビジョン」に基づき、国際交流協会が市施策の実施機関として委託事業(23年度2億4千万円余予算計上)を行っています。
◆多文化共生センター運営事業では、外国人市民の定住化に対応した支援として、多文化共生総合相談ワンストップセンター(7ヵ国の多言語生活相談、在留資格相談等)、生活・行政手続等の情報収集・提供、多文化防災事業等を実施しています。
◆外国人学習支援センター運営事業では、外国人市民を対象とした日本語教室、外国人に日本語を教えるボランティア養成講座、外国にルーツを持つ青少年へのキャリア支援、外国・日本人市民が異文化にふれる多文化体験講座等を実施しています。
知立市は、もやいこハウスで相談、学習支援等を実施していますが、浜松市に学び更なる機能強化が必要です。また、ポルトガル語だけでなく多言語相談、在留資格相談等を検討すべきです。
第3次浜松市多文化共生都市ビジョン
第3次浜松市多文化共生都市ビジョン(23年度〜27年度)は、「相互の尊重のもと、創造と成長を続ける、ともに築く多文化共生都市」を掲げ、外国人人材の活躍促進による、地域の活性化や経済振興、新たな価値の創造を図るとしており、その一部を紹介します。
◆生活の課題は、定住化の進展に伴う社会福祉、出産、子育て、高齢期の支援の充実で、ライフステージに応じた情報や制度にアクセスしやすい環境づくり。
◆日本語教育の課題は、様々な場面や幅広い学習レベルの日本語教育の充実、浜松市在住の外国人市民の特徴を踏まえた日本語学習支援体制の強化・充実。
◆子どもの教育の課題は、日本に定着している外国にルーツを持つ子どもに対する支援として、きめ細かな学習支援、進路情報・キャリア支援の充実。
◆危機管理は、平時の災害への備えや緊急時の情報提供として、危機管理体制の強化(災害への備え、外国人市民に合ったツールによる迅速な情報提供)。現在の災害時多言語支援に、約50人の外国人ボランティアが参加していますが更なる危機管理の強化を図るとしています。
知立市は「外国人集住都市会議」に再加盟を
浜松市は、外国人集住都市会議に参画。外国人住民に係る様々な課題の解決に取組むとともに、外国人住民の多様性を都市の活性化につなげる諸施策等を調査・研究し、国に提言を発信しています。更に国際的ネットワーク(インターカルチェラル・シティネットワーク等)へ加盟し、欧州等の多様性をまちづくりに生かす取組に学ぼうとしています。
知立市は一度加盟し、脱退した外国人集住都市会議に再加盟し、先進的取組に学ぶべきではないでしょうか。