活動日誌−東奔西走
【09.05.13】許せない!某派遣会社の脱法行為。「これ以上いたら死ぬ」と寮から逃げた働き盛りの男性。「蟹工船」そのもの!
待ちわびた給料はマイナス20万円。働いても連続マイナス給料とは。一人の男性が、駅頭宣伝の日本共産党に、すがる思いで相談しました。
日本共産党知立市議団が11日早朝、知立駅で宣伝を行った直後、1人の男性が近寄ってきました。大きなバックを持ち、疲れた姿はいかにも「寮を出された?」と直感するもの。彼は「派遣村の話を聞いたので、自分も話だけでも聞いてもらいたい」、「これ以上あそこにいたら死ぬと感じ、寮を逃げた」と驚くべき実態を訴えました。
「電話1本で即、OK」うれしかった!・・が
昨年秋、仕事と住む家をなくした彼は、新聞広告に出ていたある会社に、わらをもつかむ思いで電話をかけました。すると、即刻採用が決まり、「また働ける」と飛び上がるほどうれしかったといいます。すぐに指定されたアパートに住むこともできました。 仕事は道路工事などのガードマンで、張り切って仕事をすることに。
支度金が50万円? 前借金を賃金と相殺!マイナスの給料ばかり、ついに寮を逃げ出す。
ところが、仕事に必要なヘルメットから作業着、安全靴など全て自緒己負担、あれもこれもと「借用書」を何枚も書かされました。寮費は5万円で、生活費として支給されたのは1日千円のみ。最初の給料は少ないとは思っていましたが、マイナス20万円でした。前借金を相殺されていたからです。前借金の一覧表を一瞬、見せられたのみで詳細は不明。翌月の給料はマイナス6万円、1月から3月まで1日も休暇なしで働かされ、今度こそと期待していた3ヶ月目もマイナス9千円というもの。しかも、一言の質問すらできない状況だったといいます。仕事の緊張とストレスで体重は10kg減り、タバコの量ばかり増え、「これ以上いたら自分は死んでしまう」と恐怖を抱き、ついに寮を逃げ出しました。手持ち金は5百円だけでした。
マイナス給料は労働法、所得税法に違反!専門家が厳しく指摘。
給料がマイナスというのは、違法行為です。給料は一括払が原則であり、労基法第17条では前借金と賃金の相殺を禁じています。
法律家は「会社の行為は違法。残る『借金』があっても、請求すれば自ら墓穴を掘ることになる」と厳しく指摘しています。給与からの所得税天引き明細がなければ、所得税法違反にも。今後とも、全容の調査が必要です。
小林多喜二の「蟹工船」が現代にスリップ。しかし、今は労働基準法があります。
戦前、貧農の若者たちが借金のかたに乗せられた蟹工船。極寒に荒れ狂うオホーツク海で、蟹漁をし、缶詰工場でもある船で働く労働者。食べること、眠ることすらままならず、文句を言えば叩きのめされ死のふちへ。これは戦前、日本共産党員・小林多喜二が書いた小説『蟹工船』。
彼の話はまさに現代の蟹工船です。当時と違うのは、今は労働基準法があるということです。