市政の動き−議会報告
【09.08.04】石川県川北町では、75歳以上の医療費を無料に。東京・日の出町に続き、全国2番目。
知立市でも本格的検討を提案。日本共産党。
貧困と格差拡大が問題となるなか、石川県川北町で75歳以上の高齢者の医療費を無料にする条例が可決され、注目されています。日本共産党市議団は6月市議会で、「75歳以上の医療費無料化」を提案。「本格的検討」を求めました。知立市では現在、75歳以上の一人暮らしで市民税非課税者(222人)に限って、医療費を無料(福祉給付金制度)にしています。後期高齢者医療の矛盾が広がるなか、75歳以上の医療費無料化は切実な願いとなっています。
川北町議会が条例を可決、10年1月診療分から実施。
石川県川北町議会は7月14日の臨時町議会で、75歳以上の高齢者の医療費を無料にする条例と、給付費を含む補正予算を可決。2010年の1月診療分から施行します。後期高齢者医療制度の個人負担分の無料化は、東京都日の出町に続いて全国で2番目。
高齢者が病院でいったん医療費を払った後、領収書を添付して町に申請し、還付を受ける仕組み。川北町の75歳以上の高齢者は600人ですが、所得、居住年数など無料化の条件は未定で、制度施行までに規則で決まるとしています。同町は中学生以下の子どもの医療費の無料化も実施しています。
かつて、岩手県沢内村の老人医療費無料化が全国に。
かつて老人医療費無料化は、岩手県沢内村(現・西和賀町)から、全国に広がり、やがて国の制度になりました。今回の川北町の無料化は全国で広げ、具体化するチャンスです。
当時の沢内村は、国民健康保険財政が赤字でしたが、医療費無料化で受診率が上がり、病気の早期発見・治療がすすみ、医療費低下と国保会計黒字へと成果を収めたのです。
元村長は、「無料化する前は、年寄りにはお金がないため、病気が重くなって初めて病院に行くので医療費が高くなった。政府が強行した後期高齢者医療制度は、それと同じことをやろうとしている。無料化すれば医療費は下がる」と力説しています。
知立市は、「多大な財源が必要となる」とした上で、「75歳以上の医療費無料化は困難」と答弁しましたが、粘り強い要求運動が必要です。
東京都日の出町では、70歳以上に「敬老祝い金」と「生涯いきいき奨励金」として一人2万円の商品券支給も支給。
東京都日の出町の青木町長は、「日の出町発!長寿化対策〜日本一お年寄りにやさしい町づくり宣言」をおこない、75歳以上の医療費無料化など上記3施策を実施しています。加えて、敬老祝い金や生涯青春いきいき奨励金などユニークな事業にとりくんでいます。「敬老祝い金」は、9月15日現在、町内に住所を有する70歳以上の高齢者を対象に1万円の商品券を支給します。同じく「生涯青春いきいき奨励金」 として、70歳以上の高齢者にやはり1万円の商品券を支給。また、高齢者入院見舞金制度では、70歳以上で一年以上居住の町民に、入院期間(15日以上) に応じてひとり1万円〜3万円を支給しています。