市政の動き−議会報告

【09.11.05】上重原町恩田地区、経済危機の中工場誘致の開発を「中止」、

10年度の用途区域変更を延期、問われる環境保全、自然との共生

   知立市は9月市議会で、上重原北部(恩田)土地区画整理事業(組合施行、左表参照)の中止を明らかにしました。市は、地主から提出された「開発中止を求める要望書」(8月3日付)を受け、128人の地権者を対象に意向調査を実施。「開発の中止、現状のままでの土地利用(営農)」を望む地主が43人(33・6%)に達したため中止を決定したものです。日本共産党は、昨年10月の金融危機を契機に、工場誘致を前提とした恩田地区の開発を中止するよう求めてきました。

市のマスタープランでは「工場誘致地区」に

 知立市は、将来の都市像や土地利用の指針である都市計画マスタープランで、農業振興地区である恩田地区を「産業立地促進地区」に位置づけ、工場誘致のための土地開発を推進してきました。
 具体的には、09年度に恩田地区の農業振興地域の除外手続きに着手し、10年度に市街化区域に編入(用途区域変更)する計画でした。しかし、事業の中止決定で用途区域変更も延期することになり、今後の見通しも立っていません。

市は開発による税収増を期待

 知立市は、鉄道高架事業などの大型事業に膨大な財源を必要とすることから固定資産税などの増収に着目し、既存市街化区域での土地区画整理や農業振興地域を市街化区域に編入するなど積極的に開発計画を推進してきました。

相次ぐ「農振」除外に批判のこえ

 今年6月の都市計画審議会では、農業関係者から「多大な公費を投入して、大規模農業ができるようにしたにもかかわらず、短い期間で市街化に編入することに疑問」、「恩田地区の見直しは農業振興とは全く逆の方向」など、農地の保全による環境保護や自然との共生の重要性が指摘され、開発優先の市の姿勢に批判の声が相次ぎました。

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