市政の動き−議会報告

【09.11.30】企画文教委員会視察報告。神奈川県平塚市の「校庭の芝区化について」

4小学校で校庭の芝生化、環境保全、情操教育で効果。芝刈り、散水、除草など維持管理が大変。

 知立市議会の企画文教委員会(共産党・高橋憲二議員所属)は11月11日、平塚市を訪問。小学校の校庭芝生化事業を視察しました。平塚市は、Jリーグ湘南ベルマーレの地元市で芝生になじみの土地柄。28小中学校中4校で校庭(一部)の芝生化を実施(表1)しています。緑による教育効果がある一方、「芝生は生きものであり、芝生の維持管理が最大の課題」(担当者)との強調が印象的でした。

天然芝サッカー場の人口芝化が契機に。

校庭芝生化の発端は02年の日韓サッカーW杯。神奈川県下で校庭の芝生化がすすみ平塚市でも金目小学校で施工。その後、市内の天然芝サッカー場の人工芝化によって、学校側から希望のあった3小学校の校庭に芝が移植されました。芝生化された面積は、最大で542平方メートル、全校庭面積の2〜6%程度です。

芝生化、学校側から希望あがらず。

 校庭芝生化は、砂ほこりの防止や緑の情操教育、気温上昇を抑制する環境保全効果など子どもの教育にも大きな利点があります。しかし、芝刈り、散水、除草はじめ日常的で地道な管理が必要です。しかも種まきや施肥、道具の手入れも欠かせません。また、種まき後1か月は養生が必要なため、芝生への立ち入りは禁止となります。市教委の担当者は、「4校以外、学校側からの希望がなかった」と説明。

問題は地域の合意、継続的な支援体制

 校庭の芝生の維持管理は、行政だけでは難しいため、地域の方々やPTA、運動場を利用する団体などの継続的協力が不可欠です。金目小では芝生育成会が組織されないままスタート。現在では校務作業員(学校用務員)がすべて維持管理をしており、「非常に大変」と深刻な実態です。

知立では、PTAなどの応援があれば実施可能と表明。知立小学校の中庭を検討。

子どもたちが緑と親しみ、積極的に校庭に出て身体を動かし、体力の向上を図ることは重要です。知立市議会でも校庭の芝生化を求める声があがっています。9月議会では教育部長が、「知立小の中庭の芝生化(900?)をモデル地区として検討したい。おやじの会(PTAなど)が管理を受けることを前提に対応したい」と答弁。視察の席上、平塚市の担当者は、「除草剤を使わないため、夏場の芝刈りや散水、除草作業など相当な人数が毎週必要」、「継続的支援が難しい」と力説した点が印象的でした。また、芝生は日陰では生育しにくいため、知立小の中庭は大丈夫だろうかと心配の声もあがっています。

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