市政の動き−議会報告
【11.08.12】《これでいいのか》子ども手当廃止、児童手当復活!小・中2人なら月6千円の減額!
民主:自公⇒看板公約を取引材料に子育て支援を「ムダ」
子ども手当が2010年4月に導入されて1年4か月。民主、自民、公明3党の幹事長・政調会長は4日、子ども手当を廃止し、来年4月から自公政権時代の児童手当を復活し、所得制限を設けることで合意しました。従って、大半の子育て世代は支給額が減る見通し。看板政策を覆す責任感のなさに市民の不信もつのるばかりです。知立市も煩雑な作業を迫られ、頭を痛めています。
中身も、やり方も、国民無視そのもの!
「子育てを社会全体で応援するための大きな一歩だ」。10年1月29日、通常国会の所信表明演説で当時の鳩山首相がこう胸を張ったように、子ども手当は09年マニフェストの看板政策でした。
民主党はマニフェストを「国民との契約」とまで言ってきました。その看板政策を、自民、公明との密室協議であっさりと投げ捨てました。
自民、公明両党は、子ども手当などを「ムダづかい」として撤回を要求。消費税増税などの押し付けと合わせて、自公政治の復活を狙ってきました。
今回の3党合意の内容(表1)は、現行制度では、中学生までの子どもに一律で月額1万3千円が支給されていますが、10月から、3歳未満の全員と3〜12歳の第3子以降は月額1万5千円、その他は1万円支給されます。支給時期は2、6、10月の年3回なので、この金額は来年2月支給分から適用されます。さらに来年4月からは、年収960万円程度を基準にした所得制限が入ります。
導入前より負担増のおそれ
今回の3党合意が実施されますと、支給額は総額で4千億〜5千億円削減され、3歳以上の子を持つ世帯では、現行より支給額が減少(第2子まで1人当り年間3万6千円減)します。
しかも中堅所得層を中心に、子ども手当導入前に比べ負担増になるおそれさえあります。15歳以下の1人につき38万円を収入から控除できる所得税の年少扶養控除が今年から廃止されたためです。年少扶養控除廃止で所得税が増えれば、保育料などの負担増に連動します。
総合的子育て支援を手当は、恒常的制度に!日本共産党の提言
日本共産党は、子どもの貧困が広がっているいま、ヨーロッパ諸国並みの子育て世帯への現金給付(表2)が必要だと考えています。同時に(1)保育所を増やす、(2)医療や教育の費用を軽減する、(3)安心して子育てできるよう雇用は正社員を当然とするルールをつくる、(4)長時間労働をなくすなどの総合的な政策をの推進を重視しています。
子ども手当は、一年限りの場当たり的法律ではなく、安定した恒久的制度の確立が必要です。子ども手当と抱き合わせの年少扶養控除廃止は急いで見直すべきです。
知立市→膨大な事務量に悲鳴も!
3党合意による子ども手当の変更に伴い、市町村は住民の所得を確定するなど新たな事務が求められます。知立市でも、支給額が変更する来年2月支給分に備え、新しいシステムの改修に迫られます。知立市の担当者は、「個々の市民の支給額がどのように変わるのか、事前に十分なPRが必要だが、どこまで徹底できるのか」と不安をつのらせています。所得制限導入にあわせ、手当をもらえなくなる世帯からの苦情や問い合わせが殺到することも予想され、自治体としては厳しい対応となります。