市政の動き−議会報告
【12.04.26】《三河線高架》高架区間の複線化結論でず、三河知立駅の位置も決まらず
県・市・名鉄が3年越しの協議 事業費増は名鉄負担で
知立の鉄道高架事業は、12年度で24億円の事業費が予算化され、名古屋本線の仮線関連工事が実施されます。しかし、三河線豊田側の複線化について県・市・名鉄の3者協議で結論が出ず、「12年度中に方向が出なければ工事に重大な遅れをきたす」(担当部長)状況に。複線化による事業費増をどこが負担するかが論点ですが、鉄道高架事業において線増分を鉄道事業者が負担することは、国土交通省の要綱でも明確です。
「三河知立駅は移転するのか」と疑問の声
三河線(豊田側)高架事業の設計は、三河知立駅を現在位置で高架駅とし、知立駅〜三河知立駅間を複線化するものです。しかし、高架駅建設には多額の事業費がかかる上、三河知立駅利用者(表1)が少ないことから、事業費削減のため、三河知立駅の高架区間外への移転(山町・山屋敷町)が検討されてきました。駅移転の場合には、鉄道高架事業の一環として、知立駅〜移転新駅間が複線化されます。県・市・名鉄は3年越しで検討していますが、未だに結論が出ず仮線計画(南側または北側)や駅の位置すらも確定していない現状です。
「市の負担軽減が大原則」担当部長
駅が移転すれば三河線高架区間は事実上複線となり、輸送力アップは明確です。従って、事業費増を鉄道側が負担することは当然です。日本共産党は、「市の負担軽減こそ中心課題だ」として、事業費削減を一貫して求めています。
「タイムオーバーだ」
仮線計画が決まらないため、仮線用地の買収にも入れず、事業の遅れに直結します。三河線の3者協議について、「10年度末に結論を出す」(部長答弁)が、重大な遅れです。しかも協議は密室で、具体的な報告は市議会にもなされません。「まちづくりの基本がこれでいいのか」と疑問の声があがっています。
深刻です!決まらない仮線計画。複線なら用地補償2倍
現行計画は南側仮線です。三河線南側には、軌道敷を含め名鉄用地が広がっているため、仮線用地買収に伴う補償物件は13件。複線化の場合には、南側に1線増線するため、仮線を北側に設置する予定です。その場合の物権補償は26件と2倍になります。三河線豊田側を高架化するためには、環状線(三河線と並行の市道)の拡幅、安城八ツ田知立線(JA西側の県道)の整備など関連工事が山積。どの工事が遅れても高架事業に重大な支障となります。