市政の動き−議会報告
【14.09.13】《9月市議会》心身障害者扶助料支給条例を改正:65歳以上除外、所得制限の導入
支給月額を増額するものの対象者制限は問題あり
市は9月市議会に、心身障害者扶助料支給条例の一部を改正する条例を提案しました。知立市の扶助料支給は障害者の福祉の増進を目的に、現在は障害の程度に応じて月額1100円から3800円を支給するもので、年齢・所得制限なく支給してきました。今回の条例改正は、支給額の増額(表①)と抱き合わせで、65歳以上及び本人が市民税課税者を支給対象から除外するもので問題です。
厳しい生活状況なか増額は、一歩前進
知立市障がい者等実態調査・結果報告書(14年3月)は、■生活のための収入源ついて、「障害・老齢年金、特別児童扶養手当など」の回答が身体障害者手帳保持者で61・4%、精神障害者保健福祉手帳所持者で54・2%と報告。療育手帳所持者(知的障害者)では、「家族の給与・親族からの援助」が54・1%、「障害・老齢年金、特別児童扶養手当など」46・5%です。
■就労状況については、身体障害者手帳保持者77・5%、療育手帳所持者67・9%、精神障害者保険福祉手帳所持者
76・3%が仕事についていません。仕事をしていない理由として、「障害や病気のため」「高齢のため」、「児童・学生のため」などです。
報告は、障害者を取り巻く環境の厳しさが伺えるもので増額提案は一歩前進です。
制限される障害者の影響などを考慮せず
市は、支給対象から65歳以上高齢者を除外することについて、現在の65歳以上の受給者には引き続き支給するが、来年4月1日以降に65歳に達した人から支給しないとしています。近隣市で年齢制限するのは知立市だけ(表②)です。
支給制限の目的は、「事業費を抑えるため」(担当者)
と説明する一方、支給対象外となる対象者数、影響額についての提案説明はありません。制限を受ける障害者の生活・痛みを見ず、制限ありきでは道理がありません。支給制限を撤回すべきです。
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