市政の動き−議会報告
【16.03.31】《重大事態の調査機関》大津のいじめ・自殺事件教訓にいじめ問題対策委員会（専門家による第３者機関）を設置
弁護士、医師、心理に関する専門的知識を有する者、福祉関係者等５名以内で構成
３月議会、知立市教育委員会の付属機関として「いじめ問題対策委員会」の設置を決めました。大津市で起きたいじめによる自殺問題の教訓を生かすため国は、「いじめ防止対策推進法」を制定（平成25年９月施行）、「重大事態への対処」を明確にしました。市教委はそれに基づきいじめ防止基本方針を策定、「重大事態」調査の第３者機関として、いじめ問題対策委員会を設置しました。適切な運用が注目されます。
豊田市でもいじめ対応の遅れが問題に
３月議会のさなか、いじめを受けていた豊田市の中学１年生の男子が、学校へ母親が訴えても一向に解決せず、母親の命を守るための決断により転校したことが明らかになりました。「重大事態の意味」の認識があまりにも硬直化しているとの批判が上がっています。その結果、何カ月も生徒と家族を苦しめたことは重大です。そのようなことがないよう法が制定されたはずなのに残念です。
この事件を対岸の火事としてはなりません。
「重大事態」と判断しなければ前に進まず
各地で子どものいじめ・自殺事件は後を絶ちません。「いじめ」は人によって受け止め方が違うとか、いじめられる方にも理由があるなど、重大事態の判断が遅れてきた結果です。
知立市教育委員会は重大事態について具体的に述べています。
たとえば、
◆児童生徒が自殺を企図した場合
◆身体に重大な障害を被った場合
◆金品に重大な被害を被った場合
◆精神的に重大なダメージを受けた場合
などのケースを想定。また、学校に来れなくなって年間30日ほど欠席した場合を目安・・・ともしています。いじめの対応では、学校の適切な判断、初動が最も重要です。
いじめ問題対策委員会の速やかな機能発揮を
左図は「重大事態」時の体制です。重大事態がおきたと認識した場合、最初に学校が調査→教育委員会へ報告。学校だけでは調査・確認が困難と判断→「いじめ問題対策委員会」へ調査依頼、調査報告を受け、なお調査が必要な時→市長に報告。市長は「総合教育会議」を開催、現に生命など被害の恐れがあると判断→「子どもの権利擁護委員会」へ調査依頼するとしています。（� 銑�）
豊田市の例では、欠席が30日に達しないなど重大事態とされませんでした。親などから「重大事態」の訴えがあれば速やかに教育委員会で協議し、第３者機関の速やかな調査に入ることが重要です。
