市政の動き−議会報告
【17.03.10】《どうなる介護保険》 医療・介護・総合確保推進法で安心・介護を受けられるか不安広がる
「高齢者1人1人に寄り添うサービス提供」を一貫して提案=日本共産党=
介護保険制度が始まって18年目。当初からの「保険あって介護なし」との心配がさらに深刻になっています。団塊世代が後期高齢者である75歳を迎えるのが2025年、介護の必要な人が増える事を理由に、介護サービスがどんどん削られるからです。利用料負担の引き上げの一方で、介護は施設から在宅へと介護度によるサービスの制限です。政府はその受け皿として、地域包括ケアシステムの構築を目指すとしています。日本共産党は高齢者に寄り添う介護保障を維持し、介護予防の充実をと奮闘しています。
独居の高齢者は増え介護保険は増々重要
知立市の高齢化率は19%前後で年々上がり、1人暮らし・高齢者のみ世帯の多くなっています。介護する家族がいない、家事・買い物ができない、自宅で倒れたらどうするか、火事を引き起こすのではないか、詐欺に会うのではないか、不安は孤立化の中で深刻です。これをカバーするのが介護保険のはず。しかし、保険料は払い続けているのに、介護を受けたい時に受けられないのではと不安を抱く市民は多くいます。
全国で起きる悲劇
まともな介護を受けられず、また相談することもないまま起きたた高齢者の悲惨な事件、事故が全国で報告されています。何日も経過してから孤独死として発見された人、認知症がひどい妻を手にかけ、夫が焼身自殺するなど身につまされます。最悪のシナリオになったケースは多く、決して人事ではありません。
特養ホーム入所者は要介護3以上
比較的、低価格で介護を受けられる特別養護老人ホーム(特養)はなかなか入れず、待機者が全国で52万人。国は、対象者を要介護3以上にして、名目上待機者を減らしましたが、数字のマジックではなんの解決にもなりません。「介護度3で入所したが介護度が1になった。家族がいないので追い出されたら困る」など、声も届いています。
介護予防・日常生活支援総合事業は17年度〜
国は、高齢化率がピークになる2025年を目途に「地域包括ケアシステムの構築」を実現する方針です。「重度な要介護状態となっても、住み慣れた地域で自分らしい人生をまっとうできるよう、医療、介護、予防、住まい、生活支援が一体的に提供される」と説明。それを視野に知立市は「介護予防・日常生活支援総合事業」を始めます。簡単な生活支援・訪問介護はシルバー人材センターが受け持ち、簡易な通所介護は社会福祉協議会に委託、その他、希望者には従来型も提供すると約束しています。この間、日本共産党は、有資格者のサービスを維持し、要支援者のサービス外しは、しないよう強く求めてきました。
訪問診療の充実は課題
また、在宅介護にとって訪問医療は欠かせません。とくに、口腔ケアがおろそかになると、誤嚥性肺炎を誘発しやすく、命に係る問題です。見落とされやすい歯科医の訪問診療の体制づくりも求められています。