市政の動き−議会報告
【17.08.14】《これでいいのか》最低賃金の引上げ等を求める陳情：日本共産党以外の反対で不採択に
働く人の４人に１人が年収２百万円未満：時給千円以上、全国一律最低賃金制実現を
ワーキングプワーが社会問題化して久しいなか、格差と貧困の拡大に歯止めがかかりません。６月議会には、国へ格差と貧困の是正を求める「最低賃金の引上げ、全国一律最低賃金制の確立を求める陳情書」が提出されました。本会議採決では日本共産党の３名が賛成、他会派すべてが反対し不採択になりました。日本共産党は賛成討論に立ち、採択に全力を尽くしました。
�犒觝Г諒畢� は年３百万円未満（厚労省）
陳情は、「年収２百万円未満のワーキングプアは４人に１人、1139万人（2,014年）」とのべ、「厚生労働省が�犒觝Г諒畢瓩箸靴討い詛�収３百万円未満で働く人は年々増加し、2,012年には3044万人、有業者の55・１％、その内、非正規雇用は89・１％、」と告発しています。雇用・賃金の劣化の影響で「消費の低迷、少子化の進行、人口減少社会に転落している」と日本社会の根本問題を指摘しています。
賃金の地域間格差で都市に人口集中、是正を
陳情は「現在の最低賃金の問題は『地域別最賃制度』で、最も高い東京の923円に対し、最低額は宮崎、沖縄で714円、フルタイムで働いても月10万〜13万円の手取りでは人間らしい自立した生活は到底できない」と告発。「地域間格差の拡大で労働力が地方から都市部に流出し、地域経済を疲弊させている。地方・地域を再生するうえでも、地域間の格差是正」をと訴えています。
「全国労働組合総連合が実施した『最低生計費調査』では『健康で文化的な暮らし』を実現するには、月額22万円〜25万円＝（時給換算1500円相・年300万円）が全国どこでも必要」と述べ、すぐに時給1000円以上など（表参照）の実現を強く訴えています。
日本共産党は討論で、陳情に全面的に賛成し、年収200万円未満では家庭を持つのは困難であり、一層の少子化を招くと訴えました。
他会派の反対意見
陳情審査の市民福祉委員会での反対意見の要旨は次の通りです。
◆「経営者と労働者にとって（現在の）最低賃金はバランスの良い金額を設定している。地域最賃は地域の実情の応じたもの」（立志会）
◆「ただちに千円以上は賛成できない。雇用が成り立つのか。（市政会）
◆「（金額を）引き上げるところは賛同できる。しかし、時給千円は企業にとって耐えられない金額」（民友クラブ）
いづれの意見も貧困と格差、深刻な少子化問題に言及なく、現状追認の意見表明でした。
