市政の動き−議会報告
【17.10.02】《9月市議会》伊方原発の稼動停止を求める陳情:中央構造線断層があり危険と指摘
新規制基準で安全が確保と不採択に:「新たな安全神話」を批判〔日本共産党〕
9月市議会提出の「伊方原発3号機の稼動停止を求める陳情書」は、28日の本会議採決で日本共産党(3人)、正和会(1人)が賛成しました。立志会(5人)、市政会(4人)、民友クラブ(3人)、公明党(2人)創生会(1人)の15議員は反対し、不採択になりました。日本共産党は賛成討論に立ち、「新たな安全神話」を厳しく批判し、陳情の採択を求めました。
危険なだけでなく住民避難も問題が多い
陳情は、伊方原発3号機の稼動停止を求め、国に意見書提出を求めるもので、陳情主旨は以下のとおりです。
◆伊方原発3号機は、プルサーマル発電であり、一旦、事故を起こせば福島第1原発事故のように甚大な被害を及ぼす。
◆中央構造線が走っており、大地震の危険性が高い。
◆事故時には放射能が偏西風により、四国、中国・関西・東海地方にまで拡散する。
◆原発は佐多岬半島の付け根にあり、四国本土への避難時には原発の近くを通らなければならず困難。原発から20キロ離れた三崎港行き、フェリーで大分へ避難する場合、道路渋滞で長時間を要す、地震・津波で港が損傷した場合は避難できず、長時間に渡り放射能のなかで孤立する。
◆原子力規制委員会は、避難に関しては自治体のやることとしている。伊方原発は危険なだけでなく、事故時の避難に関しても問題が多く、直ちに停止すべきとしています。
新基準に合格、安全だと稼動に賛成表明
陳情を審査した企画文教委員会における主な反対意見の要旨は以下の通りです。
◆伊方原発3号機の運転差止めの仮処分申請が松山地裁が却下した。原子力規制委員会が定めた新規制基準に合理性があるという広島地裁決定に続く裁決である。
◆新基準審査に合格して安全が確保されているなどです。
高松・広島地裁の裁決及び新基準に合格したことをもって、過酷事故は起きない前提で「安全が確保」されているとしており、「新たな安全神話」そのものです。
元委員長代理、前委員長「安全」を保障せず
2014年まで原子力規制委員会委員長代理を務めた島崎邦彦氏は、「これまでの原発の耐震設計規準では熊本地震と同レベルの地震に耐えられない」と新基準の基準地震動の「過小評価」を指摘。最近、同委員会委員長を辞任した田中俊一委員長ですら、(適合審査は新基準への適合を判断するものであり)「安全」を保障するものではないと繰り返し述べています。
また、新基準での審査は、事故発生に関して、避難計画は自治体がやることと突き放し、避難の困難さなどを考慮しておらず、余りに無責任です。