市政の動き−議会報告

【18.11.05】企画文教委員会の視察報告

東京都三鷹市の「コミュニティ・スクールを基盤とした小・中一貫教育」を調査

    知立市議会企画文教委員会(7名)は10月26日、東京都三鷹市の「コミニュティ・スクールを基盤とした小・中一貫教育」を調査しました。一般的には小・中一貫校は小学校と中学校を統合し、一つので9年間の義務教育を行うものです。しかし、三鷹市では、コミニュティ・スクールを基盤とした小・中一貫教育を既存の小・中学校を存続させたまま、義務教育9年間の一貫教育を行っています。日本共産党市議団の佐藤おさむ議員が参加、以下、調査概要を報告します。

  三鷹市の小・中一貫教育の取組みは、不登校生徒の急増、学力低下などの中1ギャップ解消を目的にH15年4月から検討し、H18年4月に1学園開設、H21年9月には全7学園を開設しました。
 担当者は結果として、「学力が向上した」、「中学校の不登校出現率が導入前に比べ激減」と説明。H28年度の不登校出現率は東京都1・6%に対し、0・31%です。

小・中一貫教育の目標は 「人間力・社会力」育む

 三鷹市の小学校は15校、中学校7校です。三鷹市の小・中一貫校は、1中学校と小学校2〜3校をを一つの学園(コミニティ・スクール)に編成し、義務教育9年間を学園単位で行う教育です。三鷹市の教育理念は、児童・生徒に「質の高い教育をどの学校においても保証する」「地域全体で『共に』子どもを育てる」とし、「人間力」「社会力」を育むを目標としています。

小・中学校教員の協働による一貫教育

   三鷹市では、全ての子どもたちの「学び」と「育ち」を保障するために、◆小・中学校の教員が協働し、児童・生徒の発達段階に即した「学び」の連続性と系統性を保障した9年間一貫した指導を行ています。具体的には、小・中一貫カリキュラムに基づく授業の実施、そのために月1回の学園研究会でカリキュラムを検証しています。小学校教員と中学校教員による相互乗り入れ授業(時間割に位置づけ)、及び小・中間の授業交流などを実施。全ての教員が学園内の小・中学校の教員として、東京都教育委員会から兼務発令されています。教員の多忙化解消という点で問題はないのか疑問です。
  

「学校協議会」は教育への不当な介入が懸念

   三鷹市では全ての学校に法的な権限と責任を有する「学校運営協議会」を設置しています。学園ごとに「学校運営協議会」の委員で構成するコミニティ・スクール委員会を設置。コミニティ・スクール委員会は教育委員会が設置する協議機関で、委員は校長が推薦、教育委員会が任命、任期2年、4任期8年まで継続でき、非常勤特別職員の身分です。
 コミニティ・スクール委員会は
◆学校運営に対し、校長作成の教育課程や教育方針の承認、学校や教育委員会に意見を述べることができる、教員の採用・任用に関する意見を述べることができます。・・・◇この点では教育への不当な介入が懸念され問題があります。
◆また、教育活動では教育ボランティアを募り、ボランティアによる児童・生徒への授業での個別支援(*)、ゲストティチャーとして専門的な智識や技能を生かして授業支援を実施。ボランティア登録者数は2822人(H29)です。
ボランティアによる支援は「学校運営協議会」を設置しなければできないのかは疑問です。

※ 教育ボランティアによる児童・生徒への授業での個別支援は以下の通り。

 

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