市政の動き−議会報告

【18.11.22】公共下水道の公営企業会計化 19年4月施行は拙速。

独立採算性が原則の公営企業会計 料金値上げの圧迫が高まるのでは

   11月16日に開催された知立市議会各派代表会議で、市は公共下水道事業を2019年4月1日に、地方公営企業法による企業会計(複式簿記)へ移行させると表明。12月市議会に条例制定を提案し、現在の公共下水道事業特別会計設置条例を廃止すると説明しました。公営企業会計は使用料収入による独立採算が原則であり、値上げの圧力が高まることが懸念されます。市は、上下水道審議会にもかけず、市民への説明もないまま提案しようというのは大問題です。

現制度は値上げ抑制に一般会計繰入が可能

   現在の下水道事業特別会計は、自治法209条が定める特別会計で、地方財政法第6条及び施令46条にもとづく公営企業です。現制度は使用料の値上げを抑えるため、自治体の政策判断で一般会計繰り入れが可能です。公営企業会計は使用料収入による独立採算制のもと、使用料値上げを抑えるための一般会計繰入はできません。

国が企業会計を推進 法適用は自治体の任意

 国は「人口減少等による料金収入の減少、施設・設備の老朽化に伴う更新投資の増大など厳しさを増す経営環境を踏まえ地方公共団体が公営企業の基盤の強化や財政マネジメントの向上等にさらに的確に取り組むために、公営企業会計の適用を」と推進。15年度から20年度を法適用の集中取組期間とし、人口3万人以上の自治体は20年4月までに公営企業会計への移行を求めています。

 しかし、地方公営企業法が法適用を義務付けているのは、水道事業などの7事業(第2条)であり、下水道事業は適用外です。下水道事業を公営企業会計に移行するには、地方公営企業の設置(第4条)にもとづき条例制定が必要であり、あくまでも任意です。
 大きく制度が変わることから、慎重な検討が必要であり、
何よりも市民への説明責任を果たさなければなりません。

19年4月施行は拙速 移行計画なく条例提案は中止を

   西三河各市の公営企業会計移行への状況は上表のとうりです。各市の多くは国のマニュアルをもとに推進計画・方針を策定し、ホームページ上で
公開しています。しかし、知立市は推進計画・方針を策定せず、市民への説明責任を果たしていません。また、公営企業会計の条例制定について、上下水道審議会に諮ってもおらず大問題です。日本共産党は、市が移行を提案するにしても、19年4月1日施行は拙速です。12月議会への条例提案を中止し、市民への説明責任をしっかり果たし、意見を聞くべきです。何よりも、下水道普及率が低い段階(上表参照)での移行は、多くの課題を抱えることになり、拙速に進めてはなりません。

公共下水道を公営企業会計にすることを、審議会にもかけず、市民への説明もないまま進めるのは大問題と、12月議会条例化中止を求めています。

 

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