市政の動き−政策・見解

【19.04.28】難聴放置で認知症になりやすい

難聴の放置が認知症の原因に。早期の補聴器使用が効果的

   2017年開催の国際アルツハイマー病会議で、「認知症の約35%が予防可能な9つの原因(下表参照)により起こりると考えられる。そのなかで難聴(9%)が最大の危険因子である」と発表。厚生労働省の新オレンジプラン(認知症施策推進会議)でも難聴は危険因子の1つとされています。難聴の放置が認知症の原因であり、耳鼻咽喉科による受診、必要に応じた補聴器使用が予防対策です。補聴器は50万円超と高額であり、購入費用への補助が求められています。

要介護認定者の63%が認知症状態に

   知立市介護保険・高齢者福祉に関するアンケート結果報告(17年3月)は、「介護・介助が必要になった原因は」の問いに、認知症が36・9%、高齢による衰弱が23・6%、骨折・転倒が20・1%、認知症がダントツです。18年10月時点の要介護認定者数は1894人で、認知症の人は1417人おり、日常生活に支障がある認知症の人は1197人(63%)です。
 国際アルツハイマー病会議が予防可能とする9つのリスク35%を知立市に当てめると、495人が予防可能であった、内、難聴を原因とする人は9%、128人と推計できます。

難聴の受診等の啓発を。補聴器購入への補助を。

 知立市は認知症予防対策として、認知課題と運動プログラムを組み合わせた「いき活き教室」などを実施していますが、難聴に着目した対策はありません。難聴者への受診、必要な人への補聴器使用の啓発を実施すべきです。補聴器購入の公的補助は、障害者手帳のある高度・重度の難聴者に限られています。中等度難聴者(聴力レベル40デシベル以上)を含む加齢性難聴者を対象にした公的補助の実施が求められています。国・県に公的補助の拡大を求めると同時に、知立市での補助制度を創設すべきです。

聴力レベル40デシベル以上は補聴器使用検討を。

   認知症と難聴の直接低な関係は未解明ですが、アメリカなど各国の大規模な調査研究を通じて難聴が認知機能の低下や脳の移植を招くことが証明されています。聞こえが悪くなると、脳は感じたり、考えたりすることが少なくなり認知機能の低下をまねく、難聴によりコニュケーションが減り、社会的に孤立し、認知機能の低下につながるなどです。
 耳の老化は30代から始まるといわれ、加齢性難聴は高い音や電子音が聞き取りにくくなり、言葉の聞き取りに支障がでるのが60代から70代です。「テレビの音が大きい、良く聞き返す」などは要注意、耳鼻咽喉科(補聴器相談医)による受診が必要です。中等度難聴者(聴力レベル40デシベル以上)と診断されたら、補聴器使用の検討が必要とされています。

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