市政の動き−議会報告

【20.01.16】どうなる 古紙回収.。戸別回収は業者買取額ゼロに。リサイクル促進にも懸念が。

業者が古紙価格下落で買取り困難と説明。市は町内会等への回収報奨金増額を提案。

   知立市の新聞紙等の古紙回収・リサイクルは、町内会やPTA等による回収と、不燃物処理場への直接搬入です。町内会等の古紙回収は、玄関の前に出す戸別収集と指定場所へ持参する拠点回収の2通りで、回収業者から町内会等へ買取金が支払われます。しかし、回収コストの増加等により戸別回収は来年度から買取額ゼロと通知されました。拠点回収が困難な地域も多く、リサイクルが停滞することも懸念されます。

ごみ減量化のエコ活動町内会等41団体が登録

 新聞や雑誌といった古紙は、焼却処分するのではなく、コピー用紙など新たな紙製品にリサイクルが可能です。古紙のリサイクルを促進は、ごみの減量化・エコ活動につながります。知立市では1991年7月より古紙や空き缶の再生資源回収を促進を目的に、登録団体へ、再生資源回収奨励報奨金を交付し、活動を支援しています。現在、町内会や子ども会、PTAなど41団体が再生資源回収団体に登録、18年度決算で約360万円交付しています。また、回収業者(2事業者)から、回収量に応じて団体へ買い取り金額が支払われます(単価等は表参照)。

戸別回収は継続、しかし買取単価はゼロに

   回収業の一つ、まる藤商会有限会社から、19年9月に町内会等に「戸別回収についてのお知らせ」が届きました。内容は、20年4月より戸別回収は継続されるが回収による買取り価格をゼロにするもの。理由を「経済情勢の悪化により、採算に見合わない事態。費用及び運搬諸経費並びに古紙相場に基づき算出し熟慮の末」と説明。ちなみに、拠点収集での買取りは引き続き維持するとのこと。
 これに町内会から難色を示す声が出されています。資源回収は、市民のリサイクル意識の向上と、町内会等が自主財源を確保する役割を担ってきました。1月10日の区長会議でもこのことが話題に。市は、今年度、町内会への交付金の一つ、資源ごみ等分別地区報奨金を資源回収地区協力金に変更・減額(予算額で約1千700万円減)しています。これは、町内ごみ集積所の立ち番制度廃止によるもの。今回の買い取り価格の見直しにより、町内会財源がさらに減るのと不安も広がっています。しかし、財源確保のためと言えども、拠点回収に変更するのは、ほぼ不可能ではないでしょうか。

循環型社会は待ったなし、市は報奨金増額で支援を

   古紙等の戸別回収が始まったのは2011年から。従来の拠点回収では、高齢化等により「集積所まで運べない」と声が上がり、一方、可燃ごみに古紙が捨てられる実態が問題となっていました。09年決算では、クリーンセンターに持ち込まれる可燃ごみのうち39・6%が紙類でした。その後の取組みで、18年度決算では31・2%まで改善しています。
 限りある資源を有効的に繰り返し使う循環型社会実現は世界的課題です。知立市は市民・事業者・行政の協働による「資源循環型都市」を目指しています。ごみ排出量のうち古紙類が減少した要因として、第2次環境基本計画では「行政とは別に、民間による収集活動が盛んになってきた」と説明。今回の問題を契機に、市は、資源回収に熱心に取組む町内会等に寄り添い、再生資源回収報奨金の増額など支援が必要ではないでしょうか。

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