市政の動き−議会報告

【20.02.03】=地球温暖化=産業革命前比で気温が1℃上昇。気候変動で世界各地で災害頻発。

気候非常事態宣言自治体は2050年にCO2排出を実質ゼロにすると宣言

   昨年は、台風19号等で多大な被害が発生し、世界でもハリケーン、干ばつ、洪水、森林火災など異常気象による災害が頻発しています。これらは地球温暖化による気候変動が原因といわれています。世界の1000の自治体では気候変動に対処するため、気候非常事態宣言をしています。日本でも2019年9月25日に長崎県壱岐市が第1号で宣言、その後、長野県が宣言するなど徐々に広がっています。宣言は、2050年に温暖化の原因物質であるCo2排出量を実質ゼロにするとしています。知立市でも宣言を検討すべきです。

気温上昇1・5度以内は生命存続の至上命題

   1760年のイギリスの産業革命以降、世界の産業構造が大転換、エネルギーは化石燃料由来の石炭、石油になりました。そして、温室効果ガスであるCo2(二酸化炭素)を大気中に放出・蓄積し続けてきました。結果、産業革命前に比べ気温が1℃上昇、気候変動による異常気象が起こっています。このまま放出し続けるなら、今世紀末に2℃〜3℃上昇し、生命存続の危機を招くと警告されています。2015年のCOP21(第21回気候変動枠組条約締約会議)の「パリ協定」では、日本を含む177カ国・地域が「産業革命以前に比べ気温上昇を1・5℃に抑える」ことで合意しました。昨年12月のCOP25で国連事務総長は、「1・5℃に抑えるためには、2030年までに2010年比で45%削減し、2050年までに実質で排出量ゼロ(削減と吸収)を達成」することを訴えました。

非常事態宣言自治体の目標、2050年に実質排出量ゼロに

 気候非常事態宣言は、国や都市、地方自治体などが気候変動への対策などを優先的におこなうことを宣言するもの。2016年オーストラリアのデアビン市が世界最初に宣言し、現在約1000の地方政府・自治体が宣言しています。
 日本では、昨年10月に長崎県壱岐市、12月に長野県白馬村、長野県、福岡県大木町、鳥取県北栄町が宣言(以上、宣言順)し、神奈川県鎌倉市議会、長野県千曲市議会、大阪府堺市議会が行政に宣言を求める決議をしています。宣言及び決議は、2050年までにCo2排出量を実質ゼロにするとしています。

地球温暖化対策実行計画を見直し、「宣言」の検討を

   知立市は、2018年度から27年度までの10年を期間とする第2次環境基本計画で地球温暖化対策実行計画を策定しました。計画は27年度までに、Co2を13年度比で19%削減する目標です。13年度のCo2排出量は、産業、業務等、家庭、運輸、廃棄物部門の合計で40万2千トン。19%(7万7千t)削減し、32万6千tにする目標です。ちなみに2030年度までに23%(9万3千t)を削減し、排出量を30万9千tにする計画です。
しかし、この数値は、2010年度の排出量に対し、17・6%にしかなりません。
 国連は2010年比で2030年までに45%削減する目標。知立市の計画は程遠いものです。市は気候変動の危機を直視し、地球温暖化対策実行計画の見直し、2050年に実質ゼロにむけ、気候非常事態宣言の検討をすべきです。

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