市政の動き−議会報告

【20.12.01】no.2063 保育所の最低基準 「1才児6人に保育士1人」の 国の配置基準では人手が不足

保育士の配置1才児は3対1に  新潟県保育団体の実験は教訓的

  1才児6人に対し保育士1人という国の配置基準があり、3対1への改善を求める声が広がっています。知立市は条例で6対1ですが、保育現場から「1歳児はとても活発で、言葉も覚える大切な時期。3対1に」と意見が出て、20年余前には3対1で対応、現在は4対1に。しかし、こども・子育て支援法の施行で始まった小規模保育事業所や認定こども園などは国基準のまま。この格差の検証実験が行われています。

「3対1」と「6対1」 言葉かけの実態を調査

2019年11月、新潟県の私立保育園・認定こども園連盟は、16園の協力を得て、1歳児の保育士配置と子どもたちへの言葉かけの実態をまとめる調査を行いました。
具体的には、給食中の10分間に、保育士が子どもに声をかけた回数を数えました。

実験結果をデータで表示 言葉かけや気付きに格差

   新潟県では私立保育園に対し、1歳児3対1の保育士配置する補助を行っています。実験の目的は「1歳児6人に対し保育士1人の国基準では人手が足りないことを、目に見えるデータとして提示すること」としています。保育士の発した言葉の総数は、子どもが3人でも6人でもほぼ同じでした。◆3人の場合、最も多かった子には平均で86・3回、最も少なかった子には41・7回の声かけでその差は2・1倍。
◆6人では、それぞれ61・6回と12・4回で差は5倍。
◆最も差が大きいケースでは、3人の場合は4・6倍、6人では18・7倍にも広がりました。データでの表示は初めてです。
 また、報告書では子どもが6人の場合には、
◆子どもから保育士に向けて発した各種のシグナルを、保育者が気づけないケースが多々見られた。
◆保育士の言葉で、子どもへの「共感」の言葉や「単語の言い換えや繰り返し」が減り、指示する言葉が増える傾向が見られた。 歩き始めたばかりの1歳児6人を保育士1人で保育するのは困難、やはり国基準の改善が必要としています。

知立市は認可保育所に限り6対1を4対1に

  知立市の「公立保育所」は現在1歳児4人に対し保育士1人を配置。3対1には及びませんが、改善しています。また、市内3園の民間保育所にも、「知立市特別保育事業費等補助金交付要綱」により4対1の配置を適用しています。とても良いことです。しかし、市の認可を受け0〜2歳児保育を行っている小規模保育事業(2か所)や来年度から「認定こども園」に変更予定の猿渡保育園は、現要綱では対象外で1歳児保育の保育士配置は「6対1」が余儀なくされます。「市が決めた保育料を、同じように支払っているのに、保育士配置に格差が生じる」のは見過ごせません。小規模保育事業(2園)が補助要綱の対象外。また、新たに除外されることになります。そうなっては大変です。

市の条例改正を目指し当面、補助要綱改正を

   知立市の保育事業において、1人ひとりの子どもが同等の保育環境を享受できるよう、制度の改正が必要です。当面は特別保育等補助金交付要綱の改正が急務であり、そもそも「1歳児6対1」を決めている市の条例の改正も必要。その背景は国基準であり、その見直しこそ国に求めるべきです。

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