市政の動き−議会報告
【21.02.10】NO.2072 [原子力 災害協定] 西三河９市１町と掛川市が協定締結 知立市は掛川市民３千人を受入れ
浜岡原発再稼働、過酷事故想定の協定 脱原発、再生可能エネルギーに転換を
知立市は、「原子力災害時における掛川市民の県外広域避難に関する協定」を１月31日付で、西三河９市１町と静岡県掛川市との間で締結しました。国は２０１１年３月11日の東日本大震災に伴う東京電力福島第１原発の事故後、「防災基本計画」「原子力災害対策指針」等を整備し、原子力災害時の広域避難計画策定を推進。協定は、「掛川市原子力災害広域避難計画の方針」に基づき掛川市と広域避難について協定を締結したもので、知立市は３千人を受入れるとしています。
過酷事故想定の広域避難 愛知県内16市町村が受入
掛川市原子力災害広域避難計画の方針は、静岡県御前崎市にある中部電力浜岡原子力発電所の過酷事故（炉心溶融等）による放射性物質及び放射線の放出又はその恐れのある事態を想定。住民の広域避難先として愛知県内の16市町村を確保すると定め、南海トラフ地震との複合災害等で愛知県内の避難先を確保できない場合は富山県内の11市町村に避難先を確保するとしています。協定の締結は、この方針に基づくもので２０１４年12月以来、愛知県、静岡県、関係する市町村が協議してきました。
避難所は学校等11カ所 避難期間は最長１カ月
避難総数は93万人を見込まれ、知立市は掛川市民約３千人（浜岡原発から25�匏�内）を受入れる計画。スギ薬局知立福祉アリーナを含め11カ所が広域避難所（表参照）として指定されています。スギ薬局知立福祉アリーナ（避難経由所）で避難者の受付等を行い、各避難所への割り振りを行います。避難経由所は、知立市と電力事業者が共同で運営し、各避難所の初動対応（概ね３日間）は知立市が対応。できる限り速やかに掛川市に引き継ぐとし、避難所の開設期間は最長１か月程度としています。
福島第１原発事故10年 ふるさと居住は進まず
福島第1原発事故による県内外への避難者は、事故後10年の今も約４万人。２市６町３村内の避難指示解除区域への帰還者は、発災時の住民登録者数の約30％で、多くの人がふるさとへ戻れません。また、廃炉作業の見通しもなく、原発の過酷事故の傷跡は今なお深刻です。
浜岡原発の真下に活断層 危険な原発は廃炉すべき
浜岡原発は５基あり、１・２号基は廃炉措置中、３・４・５号基は施設定期検査中で停止しています。国は第５次エネルギー基本計画で「２０３０年度に原発による発電比率を20〜22％にする」方針で、浜岡原発は再稼働に備えた広域避難計画です。浜岡原発の真下には活断層があり、もっとも危険な原発です。広域避難が必要となる過酷事故はあってはならず、全ての原発は廃炉以外ありません。
国は危険な原発に依存する第５次エネルギー基本計画を改め、再生可能性エネルギーに転換すべきです。
