市政の動き−議会報告

【21.02.10】NO.2072 耐震改修促進計画 多世代住宅の建築費補助の創設 空家の建替え、リフォームにも

20年度耐震化率は82%、計画目標未達成 新計画案は25年度までに95%を目指す

  「知立市耐震改修促進計画2014」が今年度で計画期間満了となります。知立市は計画の改定案を策定(計画期間は2021年度から30年度)。現行の計画では20年度までに市内住宅の耐震化率の目標を95%としていますが、実績は82%と目標値に未達成です。この地域では、南海トラフ巨大地震の発生が危惧される中、効果的かつ効率的に建築物の耐震改修等を実施することが求められます。市は、改定計画(案)で耐震改修を促進するため、多世代居住の推進と合わせた耐震化の支援や、日本共産党市議団が提案した改修補助金の代理受領制度の創設を明記しました。

新・耐震改修促進計画 南海トラフ大地震を危惧

 耐震改修促進計画は、今後のさらなる耐震化を促進し、地震から市民を守ることを目的としています。計画は、1995年1月の阪神・淡路大震災での死亡者のうち約9割が住宅等の倒壊が原因だったことを踏まえ、2008年3月に策定しています。耐震改修促進の対象建物は、知立市内のすべての建築物を対象としています。特に、11年3月の東日本大震災以降、大規模な地震が頻発しています。東海地域では、南海トラフ巨大地震の発生が危惧されることから、耐震改修は一層の取組の強化が求められます。なお、今回の改定計画の期間は21年〜30年までです。

木造住宅の耐震化率70% いかに耐震化促進するか

  知立市では建築物の耐震基準が大きく改正された1981年以前の建築物の安全性・耐震強化を市民に呼びかけています。市内の住宅の耐震化の状況は、住宅総数1万8千780件のうち現在82%が耐震性のある住宅です(耐震化率)。しかし、非木造住宅が戸建・共同住宅が、耐震化率が概ね98%であるのに対し、木造住宅では戸建72%、共同住宅70%と低迷です。なお、新計画で全ての住宅を合わせた耐震化率の目標を、25年度までに95%、30年度に「概ね解消」としています。市は20年度までに耐震化率を95%とする目標を掲げていましたが今年度中の達成の見通しはなくなりました。
 日本共産党はこれまで、「巨大地震発生が指摘されている中で、家主の高齢化や耐震改修に多額な費用が必要なことが耐震化率が上がらない背景では」と指摘、耐震化事業の改善を求めています

「多世代住宅への耐震改修」で新たに50万円の補助金

   81年以前建築で、耐震基準を満たしていない住宅の主な家計を支える人の年齢が65歳以上が約60%です。新計画案では、高齢世帯ほど耐震改修が進まない傾向にあるとしています。市は、21年度から耐震基準を満たしていない住宅が、多世代(2世帯等)住宅へ改修をした場合に新たな補助を実施(上限50万円を予定)。この他、耐震基準を満たない空家を多世代住宅に建直しや、リフォームする場合に、耐震対策促進工事補助の対象とするとしています。

工事費補助金の「代理受領」実施へ=共産党提案

 市は21年度から耐震改修工事補助金の代理受領制度導入を検討。導入により工事の依頼者(市民)は工事費用等と補助金の差額分のみを用意すればよく、経済的負担の軽減となります。日本共産党は制度の導入を提案していました。

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