市政の動き−議会報告

【21.03.24】no.2078 心身障害者扶助料に支給制限とは。削減額でサービス充実というが・・・。

福祉切り捨ての「事務事業点検」は問題 事業縮小の撤回を強く求める=日本共産党=

   知立市は重度障がい者へ支給する心身障害者扶助料(手当)の支給対象者を21年8月支給分から縮小する方針です。これは、国・県の特別障害者手当等を受給している人へは市独自の支給を中止するもの。3月18日、3月議会最終本会議で日本共産共産党の牛野北斗議員は「縮小条例」に反対、扶助料の必要性を訴え、撤回を求めました。しかし、賛成多数で縮小は決定。今回の縮小は市の事務事業点検によるもので、これまでも難病患者見舞金の廃止など実施、さらなる福祉事業の縮小が懸念されます。

国・県手当との併給は不可 市独自の扶助料支給を縮小

   心身障害者扶助料は住民税非課税の身体・知的・精神障がい者へ等級に応じて月額4000円〜2000円を支給しています。事業は1971年から始まり、目的は「社会保障の理念に基づき心身に障害のある市民に扶助料を支給することにより、福祉の増進に寄与する」(心身障害者扶助料支給条例第1条)です。
 3月議会に提案された心身障害者扶助料改定条例は国・県の手当を受給している人へ市独自の扶助料の支給を中止(併給中止)するもの。具体的には、特別障害者・児手当、障害児福祉手当、在宅重度障害者手当で、いずれも非課税の身体障害1級やIQが35以下の重度障がい児・者です。市は本会議質疑で支給中止の対象となる人数を418人(上表)と答弁しました。
 
 制限導入に市長は「申し訳ない気持ちがいっぱい。削減で得た費用は全額福祉サービスのために利用する」と答弁しました。

「現金給付の役割は終わった。サービス利用を」と市

   今回の制限導入の理由を日本共産党の質問に担当部長は「現在は多種多様な福祉サービスがある。制度導入時の現金給付の役割は終わった」と答弁。しかし、共産党は対象となる重度障がい者のサービス提供体制が少ない現状を指摘。担当部長は「サービスの充実にめた」と答弁するのみです。併せて、「障害者扶助費(サービス提供等にかかる費用)が毎年1億円程度伸び、財政の負担が重くなっている」ことも理由としました。 市はこれまで「コスト削減」を掲げた事務事業点検で福祉事業を縮小・廃止してきました(左表)。

重度障がい児へも制限

   20歳未満の在宅の重度障がい児(身体障がい1級又2級、IQ35以下)に支給されている障害児福祉手当との併給も中止としています。障がい児を育てる保護者を経済面で支援する制度の縮小も大問題です。日本共産党は反対討論で問題点を厳しく指摘、撤回を強く求めました。

今後、さらなる福祉事業の削減が懸念される

   市はこれまで「コスト削減」を掲げた事務事業点検で福祉事業を縮小・廃止してきました(左表)。さらに、22年度には死別等でひとり親となった人に支給する遺児手当への所得制限導入の検討を表明しています。さらなる福祉事業削減が進むことが懸念されます。市長は3月議会開会日の「令和3年度施政方針」で子育て日本一を再び強調、今回の制限導入は市長の姿勢が問われるのではないでしょうか。

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