市政の動き−議会報告
【22.12.05】NO,2156 ゼロカーボンシテイ 現状では達成不可能 エネルギー地産地消が不可欠
知立市環境基本計画、知立市エコプラン 新たな見直し、計画作成が必要
エジプトで開かれていたＣＯＰ27は洪水や干ばつを引き起こした「損失と被害」を救済するための基金設立で合意し、「（気候変動に）特に脆弱な国を支援する」と記した成果文書を採択して閉幕しました。先進国の温室効果ガスの排出削減努力強化が求められる中で、政府・県も２０３０年までの削減目標を46％に引き上げました。しかし、これまでの取り組みでは、到底、達成不可能です。抜本的な対策強化が注目されます。
再生可能エネルギーの 太陽光発電設備拡充を
すべての地方公共団体は、自らの事務、事業に関し、「温室効果ガスの排出の抑制等のための措置に関する計画」を策定することが義務づけられています。知立は「知立市エコプラン」を策定しており、最新版は令和２年３月に作成された２０３０年に向けた改訂版ですが、その中では２０１３年比40％削減を長期目標としています。ところが、13年〜17年までの結果は削減どころか、７・８％の増加です。太陽光パネルの大量設置などさらに思い切った対策が必要です。
知立市自身の事務・事業で排出している電力使用でのＣＯ2排出量は約千７百トン、削減目標値２千トンの大半に匹敵します。目標達成のために、市庁舎や駐車場、学校、浄水場など、設置可能なすべての施設に太陽光パネルの設置が必要です。
国は40項目の補助事業 知立市も活用できる
国は30年までの削減目標の実現に向けて、エネルギー起源ＣＯ２排出削減対策を強力に推進する40項目の補助事業を行っています。この事業の中には知立市も活用できると思われる事業も含まれており、地域脱炭素移行・再エネ推進交付金、地域脱炭素実現に向けた再エネの最大限導入のための計画づくり支援事業等多方面にわたります。ぜひ活用を検討すべきです。
岡崎市は、全国に先駆けて２０３０年度までに脱炭素を目指す環境省の「先行地域」に選ばれました。市の中心部をモデル地域として、太陽光発電の導入や、電気自動車のバッテリーを防犯灯などに再利用する。５年以内に太陽光発電や木質バイオマス発電の増設を進めて、市が出資する電力小売り会社「岡崎さくら電力」の電源を確保するなどです。こうした再生エネルギー由来の電力を対象エリアに供給していく計画は、県・市・市内事業者が共同提案したものです。事業期間は５年間、総事業費は交付金50億円を含む計73億円です。
知立市ゼロカーボンシテイ実現には市民・事業所の協働が不可欠
ゼロカーボンシテイ実現には、行政と市民、市内事業所が一体となった取り組みが不可欠です。日本の多くの企業は�毅咤錬隠苅娃娃韻稜Ь擇鮗�けており、環境への取り組みを企業の中心課題にしています。市内の大手企業のホームページを見ると、環境方針と環境目標が明示され、「環境報告書」や「サステナブルレポート」として、公表されています。
一定規模以上の事業者は、県に対して、「地球温暖化対策計画書」と「地球温暖化対策実施状況書」の提出が義務付けられていますが、
市内の全ての事業所に、温暖化防止対策推進協定を呼びかける等の施策が必要ではないでしょうか。
また、市民に対しても、エコファミリー登録制度等の太陽光発電等でＣＯ２排出削減に協力した家庭が恩典を受けられるような制度も必要です。国や県の補助事業に対する広報と支援体制も必要です。
生ごみ・落ち葉の堆肥センターも有効
多くの自治体が規模の大小はあっても堆肥センターを設けています。樹木の剪定枝や落ち葉、生ごみを堆肥化し、農家や市民に配布しています。肥料高騰で苦しむ農家への支援とごみの減量につながります。
