市政の動き−議会報告
【22.12.16】NO,2159 12月議会 一般質問 保育士配置基準の問題点指摘 全国市長会も改善を要望
保育士の配置基準は昭和23年厚生省令が根拠 4・5歳児は70年前のまま 30人を1人で
12月議会一般質問で、中島たかし議員は、保育士の配置基準の問題点を質しました。現在の保育士配置基準は昭和23年の厚生省令で定め、前提を「8時間保育」とし、保育士1人が担当する子ども数を決めました。以後、3歳未満児はさすがに現場の声で少し改善したものの、3歳児20人、4・5歳児30人は70年余にわたりそのまま。最近の保育園でのバス置き去り事件や虐待事件など、その根源には保育士不足の問題があると指摘されています。
担当部長も問題点を認識、改善を望むと答弁
国の配置基準は戦後、児童福祉法が制定され、初めて保育園制度が始まった時に制定された省令が基になっています。当時はまだ、「子どもは母親が育てるのが当たりまえ、女性は家庭を守るのが仕事」とされていました。従って、保育時間も8時間保育が標準となっていました。
今は、女性の社会参加が広がり、早朝からの乳児・長時間保育が実施され、11時間保育が実施される時代となっています。配置基準の時代的なギャップは深刻になっています。「公立保育園の保育士の配置数は」の質問に、市は「保育定数1439人に対し、国基準では171人だが、実配置数271人」と100人加配の実態が明らかになりました。知立市は民間保育園についても運営費補助金で加配分を負担しています。市長も一刻も早い基準改善を求めたいと表明しました。
保育現場の切実な声に 市長も国への要望を約束
保育士配置基準は平時を前提で成り立っており、コロナ禍で仕事が増え大変、災害時の子どもの安全確保が心配と多くの保育士が表明。そうした実態が保育士の離職につながり、保育士不足を招いているのではと指摘。「国へ改善要請をすべき」との質問に、林市長は、「全国市長会で改善意見書もでている。さらに、現場の声を市長会の場でもあげていきたい」と前向きな答弁がありました。
保育士の配置基準改善を求める請願は委員会で賛成多数
愛知保育団体連絡協議会から、提出されていた「保育士配置基準改善を求める意見書の提出を求める請願」は13日の市民福祉委員会に付託され、さくらんぼ保育園の保育士から、請願趣旨の説明が行われました。「保育士1人に対して、圧倒的な子どもの人数の多さ、保育士は書類に追われ、休憩時間も保障されず、残業、持ち帰りの仕事の多さ、保育の中身を相談する時間が不足」など、切実な保育現場の声が紹介され、配置基準の改善を求めました。当委員会では、篤心会3人と嶋田議員が賛成、民友クラブの杉浦議員が反対を表明。賛成多数で「採択されるべきもの」として決定、最終本会議で採決される運びです。尚、中島たかし議員は、地方自治法117条の「直接の利害関係にあたる」者に該当するとして、議会運営委員会で「除斥」が決まったため、採決に加われませんでした。