市政の動き−議会報告
【23.01.31】NO,2162 知立市の若者を戦場に送るな 自衛隊への名簿提供の中止を
市は住民基本台帳の18歳男女の個人情報を 本人の同意もなくタックシールで情報提供
自・公政権は安保法制を強行し、自衛隊による集団的自衛権行使を可能とし、日本防衛とは無関係のイラク、南スーダン、シナイ半島など米軍の軍事行動に自衛隊派遣を常態化しています。岸田政権は昨年末、敵基地攻撃を可能とする「安保3文書」を閣議決定、戦争国家づくりが進んでいます。知立市では2021年から、自衛隊に18歳の男女の名前、住所、約650人分を宛名シールで情報提供・協力しています。本人の同意なく若者を戦場に送る名簿提供は中止すべきです。
安保3文書で 「戦争国家」に大転換
岸田政権は、国家安全保障戦略、 国家防衛戦略、防衛力整備計画の「安保3文書」を閣議決定、歴代政権が死守してきた「専守防衛」を完全にかなぐり捨て「戦争国家づくり」へと暴走し始めました。 歴代政権の「専守防衛」とは、日本が万が一他国から攻撃を受けた場合、実力部隊である自衛隊が防衛のために反撃することです。自衛隊は防衛のための実力部隊であり、軍隊ではないとの解釈において、戦争放棄、軍隊を保持しないと規定する憲法9条には違反しないという立場で、あくまでも防衛に徹するというものです。
今回の「安保3文書」は、7年前に強行した安保法制(集団的自衛権行使等)の実践・具体化に向け、自衛隊による敵基地攻撃(先制攻撃)のためのミサイル等の防衛力の整備、そのための大軍拡予算の確保を明示したもので、「専守防衛」から「戦争国家」へ大転換するものです。そして、日本を守るのではなく、安保条約下でアメリカの世界戦略に組み込まれた軍事行動(集団的自衛権の発動)を担う、極めて危険な道に踏み出そうとしています。そんな中、自治体による自衛隊への若者の名簿提供は大問題です。
個人情報審査会は「自治体の判断」の見解だが
日本共産党は、自衛隊へ名簿提供することについて、本人の同意もなく提供しないよう議会で求めてきました。市は「2021年に住民基本台帳の『閲覧』から宛名シールでの名簿提供へ変更したのは、自衛隊から『資料提供』を求められ、個人情報審査会の議を経たところ『自治体の判断』に委ねられるとの結論を得てタックシールでの名簿提供を行っている」と説明しています。個人情報審査会は、名簿提供は「自治体の判断」という中、市長が提供判断をしたのです。それでよいのでしょうか。
自衛隊への名簿提供は 若者を戦場に送るに等しい
自衛隊の広報は、「災害派遣」「人道支援」の名目で若者を募集しています。しかし、「戦争国家づくり」のもと、自衛隊への名簿提供は若者を戦場に送るに等しい対応です。住民基本台帳法11条で認めているのは台帳の「閲覧」に限定しており、「名簿提供」する根拠規定はありません。地方自治体の責務は、個人情報を守り、人権やプライバシーの侵害を防止することです。知立市は名簿提供を中止すべきです。
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