市政の動き−議会報告
【23.04.06】NO,2174 下水道料金・国保税値上げ 食品、鉄道運賃値上げ続く
賃上げ29年ぶり3%台、年金1.9%引上げ も物価上昇に追いつかず、実質0.6%減
知立市は4月から、下水道料金を値上げするとともに、3月まで物価対策として免除していた水道代の基本料金も元に戻します。また、国保税は令和5年度分から引上げが決まっています。物価は、原材料高で食品値上げが続き、鉄道や宅配便の運賃も上がります。賃上げは官民一体春闘で29年ぶりに3%台に乗る予想が出ていますが、中小企業まで含めた実質賃金の上昇に結びついていません。公的年金は68才以上は1.9%アップですが、実質0.6%減です。
食品値上げは4月も続く 雇用保険も引上げ
帝国データバンクによると、4月の食品値上げは5千品目近く。マヨネーズやチーズ、醬油などが5〜11%高くなります。鉄道運賃も全国的に値上げされます。失業保険などに使われる雇用保険料の労働者負担は22年10月に0・3%から0・5%に引き上げられたばかりですが、4月から更に0・1%引き上げられ0・6%に。半年前の倍額です。政府は新型コロナウイルスの影響で雇用調整助成金の支出が増え、雇用保険財政が悪化したことを理由にしています。
公的年金実質0.6%減 11年間で7%以上減額
68歳以上の公的年金支給額は実質0・6%減です。(67歳以下は同0・3%減。6月振込分から)少子高齢化に合わせて年金支給水準を下げる「マクロ経済スライド」が発動したためです。68歳以上の場合、基準になる2022年の物価上昇率2・5%からマクロ経済スライドで0・6%引かれ1・9%増にとどまります。第2次安倍政権以降の11年間で実質7%以上の減額です。国民年金の満額は物価上昇に合わせれば4月以降は月6万6436円(1620円増)ですが、マクロ経済スライドで月6万6050円(1234円増)になります。
児童扶養手当や特別児童扶養手当、原爆被爆者の各種手当などは物価上昇分を引き上げます。
水道・下水道・国保税の負担増の軽減措置を
知立市の公共料金は、9月議会で下水道料金の値上げが決まり、3月議会では国保税の値上げが決まりました。国の物価高騰対策特別交付金を活用した水道料金基本料の免除が、令和4年12月から令和5年3月まで行われていましたが、4月分からは従来どうりに徴収されます。
国民健康保険は個人事業主や退職した人がほとんどで、ほとんどの被保険者が他の健保加入者と違って賃上げは関係なく、物価高騰で生活が苦しくなっています。その人達に更に負担を強いる国保税や下水道料金の値上げは、余りにも理不尽ではないかと反対討論で主張しましたが、共産党の2名を除く他の議員の賛成で可決されました。刈谷市などでは、水道代の基本料金免除を継続しており、知立市も水道基本料金免除と、下水道料金引き上げを延期すべきと3月議会で要求しました。
コラム=マクロ経済スライドとは
年金額は原則、毎年の物価変動率と名目手取り賃金変動率の低い方に合わせて改定されます。少子高齢化に伴う財源不足を解消するために、被保険者の減少率と平均余命の伸び率から年金額を減少させる「スライド調整率」を掛けて計算されます。物価や賃金が下がったときは、年金額は据置き、上昇したときにその分を差し引きます。今年は賃金も物価も上昇したので、過去の未調整分も含めて「マクロ経済スライド」が 適用されました。