市政の動き−議会報告

【23.06.17】これでいいのか 市は今年度も自衛隊へ個人情報を提供!市民周知、本人同意なく隊員募集のため

個人情報審査会答申は情報提供は「あくまで自治体判断」と答申、提供の中止を

   知立市は2021年度から防衛大臣の要請に基き、隊員募集を目的とした男女18歳の名前、性別、住所をタックシールで情報提供、今年度も5月に提供(表参照)しました。日本共産党は、名簿提供は若者を戦場に送るに等しいと批判し、提供中止を求めてきました。市は「法令に従っている」として、提供中止を拒否しています。個人情報を守るべき市は、市民へ周知することなく、また、本人の同意を得ることなく提供することは許されません。改めて中止を求めます。

自衛隊法97条等で自衛隊への名簿提供を要請

   住民基本台帳法は、自治体が公用・公益性が高いと認めた場合のみ台帳の閲覧が可能ですが、個人情報の外部提供については定めがなく、印刷物、電子的記録媒体等での名簿提供はできません。
 市は、何を根拠に自衛隊へタックシールでの情報提供をしているのでしょうか。市は名簿提供について、「県総務部と防衛大臣通知があり、令和2年5月に知立市個人情報審査会に諮問し、6月に答申を受け、『市長の判断』でタックシールで提供」(危機管理局長議会答弁)しているとしています。

名簿提供は「あくまでも自治体判断」なのに

   防衛大臣通知は名簿提供の法的根拠について、『都道府県知事及び市長村長は自衛隊法97条により、自衛隊の募集に関する事務の一部を行う』と定め、自衛隊法施行令120条において、『防衛大臣は、自衛官の募集に関し必要があると認められるときは、都道府県知事又は市長村長に対し、必要な報告又は資料の提出を求めることができる』」として自治体に名簿提供を求めています。
 知立市個人情報審査会の答申は、「自衛隊法施行令120条による規定は、防衛大臣が市長村長に対し、情報提供は求めることができるとするに止まるため、あくまでも自治体の判断で行うもの」(危機管理局長議会答弁)とし、提供の義務づけを認めませんでした。提供をしない選択もできたにも係わらず、市は「提供」を選択。「あなたの息子、娘の名簿を自衛隊に提供していいですか」と市が聞くことを含め、市民へ周知すべきです。今後、あくまでも提供するとするならば、提供して欲しい人が申し出る(本人同意)仕組みとし、最大限プライバシーを保護する措置を取るべきです。

「戦争国家」づくりの「下請け」機関になるな

   自治体への名簿提供の要請は、アメリカの世界戦略に沿った安保法制及び「安保3文書」による集団的自衛権の発動、先制攻撃を可能とする「戦争国家」へと踏み出す中で強化されています。
 戦前・戦中、自治体は戦争遂行体制の末端組織として住民を戦争に総動員する役割を担いました。市町村の役場には兵事係が置かれ、徴兵検査の1年前から戸籍を確認し、20歳の青年を抽出し、兵役適正名簿を作成して軍に提供しました。召集にあたっての「赤紙」の配達も兵事係の業務でした。防衛大臣の名簿提供の通知は、自治体を「戦争国家」づくりの「下請け」機関とするもので、戦前の徴兵制の仕組みを彷彿させます。歴史の教訓に学び、自治体は若者を戦場に送るに等しい対応をすべきではありません。

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