市政の動き−議会報告
【23.09.23】No,2195 水道事業の赤字は基本料金免除のため 下水道普及率は年1%づつ拡大
水道料金は県水料金で決まる 下水道普及率はようやく70%台に
9月議会本会議質疑で日本共産党の中島たかし議員は水道・下水道事業会計決算について質疑を行いました。
水道事業会計で営業収益落ち込みは昨年度12月から3月まで物価高騰対策として基本料金を免除したためで、通常時とは異なる決算となりました。下水道会計では他市よりはるかに低い普及率の問題を追及しました。
市の県水依存率は81% 県は値上げの検討を表明
知立市の水道は市内の井戸からと県水で配水されており、県水依存率は80・86%です。
令和4年度は、営業費用の配水・給水費、業務費、資産減耗費が増加し、1㎥給水原価が10・76円上がり152・23円となりました。給水原価を下げるための施策を質すと、電力料金を下げるために送水ポンプのインバーター化や照明のLED化等を実施したと答弁。
給水原価に大きな割合を占める県水の値上げの話も聞いているが具体的な話はあるかとの問に、「愛知県の企業庁と意見交換を行っているが、具体的には今後説明会が開かれる」とのことでした。県水の水源は、木曽川、矢作川、豊川の3水系に作られたダムで遠方から運ばれてきます。水あまりのもと使い道のない徳山ダムや設楽ダムの運用・建設費用も含まれています。
市の下水道普及率は県下 30番目で80%までに10年間
知立市の下水道普及率は前年度と比較して801人の増加となり、市人口に対して70・6%になりました。下水処理ができる人に合併浄化槽を利用している人を加えた汚水処理人口普及率は89・2%です。今年4月から下水道料金が引き上げられ、それまでは県下49市中、高い方から41番目でしたが19番目まで上がりました。
下水処理単価を下げるには、下水道普及率を引き上げることが不可欠ですが、知立市の計画は年1%ずつ引き上げることになっています。
国は令和8年度末までに汚水処理率を95%まで引き上げるよう指導しています。現在下水道の敷設費用は国が半分負担していますが、令和8年度末以降は負担率を引き下げることも予測されます。そのため、碧南市では下水道普及率を一気に95%まで引き上げると言われています。愛知県の下水道普及率の平均は80%で知立市は30番目です。80%まで到達するにはさらに10年かかり、下水道料金の更なる引上げが予定されています。中島たかし議員は駅周辺再開発事業より、下水道事業に集中的に投資することを求めましたが、市長はこれまでの方針を変えることは拒否しました。