市政の動き−議会報告
【23.11.26】NO.2204 新婦人知立支部は市へ、自治体キャラバンは国へ 学校給食の無償化求める「請願書」を提出
小中学校給食費の無償化が全国で拡大 保護者と子どもたちに喜ばれています
12月4日開会の12月市議会に、小中学校の給食無償化を求める二つの請願が提出されました。新日本婦人の会知立支部(代表:長江恵子)が知立市に対して無償化を求める請願、愛知県自治体キャラバン実行委員会(代表:森谷光夫)が国に対して無償化を求める請願です。日本共産党の佐藤おさむ・中島たかし議員が紹介議員になりました
全国491自治体で無償化 県内は安城市など13自治体
コロナ禍と物価高騰は、貧困と格差を拡大し、子育て世代の家計を直撃しています。義務教育での給食費、教材費、修学旅行費、学級費や指定品の購入、調理実習代などの保護者負担は年1人当り、公立小学校で10万円、中学校では17万円(文科省の令和3年度調査)かかります。そうした中で、学校給食費の無償化が全国で拡大し、保護者と子どもたち、関係者に喜ばれています。
今年8月調査(日本共産党給食無償化チーム)では、小中学校とも給食費が今年度無償、あるいは今年度実施予定の自治体は491(期間限定を含む)に、小学校のみは14、中学校のみは17です。東京都23区では18区が、県庁所在地では青森・大阪・奈良・高松・那覇市が小中とも無償です。
県内では安城市、飛島・豊根村が完全無償化を実施。期間限定の無償化(国の臨時交付金を活用)は、豊橋・岡崎・津島・刈谷・蒲郡・岩倉・清須・あま市、南知多・設楽町です。今後、恒久的な無償化へ踏み出す自治体が増えることが予想されます。
給食を食べるというのは、基本的人権にもとづく権利
12月市議会では、市及び国に無償化を求める二つの請願に対する各会派の対応が注目されます。
「学校に関する保護者の負担」などを研究している千葉工業大学の福島尚子准教授は、自治体による給食費無償化を「画期的」と評価しつつ問題点を指摘しています。「お金に余裕がある自治体だけが無償化できるという状況はおかしい。国が全国一斉に質を担保しつつやらないといけない。子どもが給食を食べるというのは、基本的人権にもとづく権利。日本国憲法で義務教育の無償性がうたわれており、生存権や成長発達権に付随する食の権利と深く関係しています。その保障状態に格差が生じている」とし、「朝から夕方まで学校で拘束しているのだから昼食の提供は当たり前。給食は成長や発達に不可欠。トイレや、具合が悪いときの保健室のベッドのように、当たり前に無償で提供を」(朝日新聞22年12月14日付)と述べています。
出自による差が出ない、 きちんとした給食の制度に
低所得世帯の子どもには就学援助で必要な手当はしている、子どもが食べる給食なのだから保護者が負担(受益者負担)するのは当然との反対意見があります。これに対し、「家計の経済学」などを研究している東京大学の山口慎太郎教授は、「低所得者層の家庭だけが対象の支援(就学援助)は、スティグマ(偏見による差別や恥辱)の問題があり、出自による差が出ないよう、きちんと給食を食べられる制度にすべき」「受益者とは親ではなく子ども。給食費を負担する能力のない子どもに求めるのは違う。あくまでも国として『子どもを直接助けていこう』という発想に立ったら、受益者負担という考えにはならない」(朝日新聞11月21日付)と述べています。
当たり前の権利として国に要