市政の動き−議会報告

【23.12.24】NO.2208 不登校児童生徒へ多様な支援を提案 市の会計年度任用職員の処遇改善を

フリースクール利用者への経済的支援、オンラインを活用した不登校支援などを提案

   文部科学省の調査では、昨年度の小中学校における不登校の児童生徒は前年度より約5万4千人(約1・5倍)増え、30万人に迫りました。日本共産党の佐藤おさむ議員は、12月議会で知立市の不登校の実態及び支援について一般質問しました。また、企画文教委員会では、市民サービスを担うパートタイム・会計年度任用職員の処遇改善について、質問しました。以下、概要をお知らせします。

知立市の不登校児童生徒も全国並みの増加傾向

   不登校は病気等を除き、学校を年間30日以上継続して欠席した状態とされています。知立市の不登校児童生徒は昨年度、「全国並みの約1・5倍に増え、小学校116人、中学校で153人(計269名)」(教育長答弁)です。知立市は、学校に行くことができない児童生徒を対象に「むすびあい教室」を開設(東小学校内)しています。今年5月時点では、小学生11名、中学生16名の27名が通室(利用)しています。
 「むすびあい教室」の通室者以外の多くの児童生徒は常日頃、家庭にとどまっており、中にはひきこもり状態の子どもたちがいると思われます。「年間を通して、一度も学校に来ていないのは20名程度」(教育長答弁)とのことで、多様な相談・支援が求められています

フリースクール利用者へ市として経済的支援を

   不登校状態の子どもで、「他自治体にあるフリースクールを利用している子どもは1名(教育長答弁)です。知立市議会は9月議会において、教育機会確保法が定める多様な学びとして、国へフリースクール利用者等への経済的支援を求める請願を全会一致で採択、国へ意見書を送付しています。
 佐藤議員は、国支援ができるまでの間、市が経済的支援を行うべきと提案。林市長は、「教育機会確保法に基づく予算措置があるか確認したい」旨の答弁に留め、独自支援には触れませんでした。教育長はフリースクールは義務教育ではないと発言、だからと言って支援に消極的でいいのでしょうか。

子どもたちの実態に応じた 多様な選択肢と自己決定を

 広島県教育委員会は、「全ての児童生徒の『主体的な学び』の実現に向け、子どもたちの実態に応じた多様な選択肢と自己決定を意識した教育活動を推進」するため、昨年、オンラインでの不登校支援等を行っているNPO法人「カタリバ」(東京都)と連携・協定を結びました。春日井市は今年度、同法人と連携して不登校の児童生徒への支援を始めました。
 佐藤議員は、広島県及び春日井市での取組みを紹介し、知立市での実施を提案。林市長は「機会をみて総合教育会議に諮ってみたい」と答弁しました。
 また、国の「学校図書館ガイドライン」は、読書・学習・情報センター機能の充実、学校になじめない児童生徒の居場所として登校時から下校時までの開館及び毎日の開館が望ましいとしています。知立市は週2〜3日の開館、時間は午前及び昼放課などと遅れており、「ガイドライン」に基づき充実すべきと提案。林市長は「次の総合教育会議に諮って行きたい」と答弁しました。

会計年度任用職員の報酬引き上げ 勤勉手当支給に、条例・規則改正を

   全国の自治体で働く会計年度任用職員のうち、多くは正規職員の1週当り勤務時間に対して4分の3時間以下で働くパートタイム・会計年度任用職員。正規職員と同様、市民サービ提供に欠くことのでき存在ですが、月額報酬及び時給は、正規職員の初任給を基準に決められており、賃金は正規職員の6割で官製ワーキングプアと指摘されています。
 日本共産党は、今回、正規職員の給与の引上げ等の条例が提案されているが、会計年度任用職員の報酬及び時給はどうするのかと質問。市は「令和6年4月から引上げるため、規則を改正する。影響額は2億円」と答弁しました。
 勤務時間数などの一定条件を満たす会計年度任用職員には期末手当支給はあるものの勤勉手当はありません。法改正により「支給できる」ことになりましたが、知立市での支給はあるのかとの質問に、「支給するため来年3月議会に条例改正の提案をしたい。対象者は約250人」と答弁。処遇改善へ一歩前進します。

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