市政の動き−議会報告
【24.01.14】NO.2210建物の耐震改修が進まず被害が拡大 住宅の耐震化は命を守る最優先の課題
改めて耐震改修の必要性が浮き彫りに 改修には国の支援策の拡充が必要
石川県能登半島を襲った最大震度７の地震から一週間が過ぎた９日、死者２０２人、安否不明者１０２人、避難所へは約２万人が身を寄せ、不自由な生活を強いられていると報じられています。甚大な被害を被った珠洲市は、「高齢者が多く、費用負担が足かせとなり耐震改修が進んでない実態がある」なか、住宅倒壊が被害を拡大させたと指摘され、改めて耐震改修の必要性が浮き彫りとなりました。
高齢者が多く、耐震化が進まない深刻な現実
中日新聞１月５日付にによれば住宅耐震化は珠洲市で、「６千戸の住宅のうち２０１８年度末の耐震化率は51％」、輪島市は「19年末で45・２％で全国平均87％より著しく低い状況」。共通点は、「65歳以上の高齢化率（20年時点）は珠洲市57・７％、能登町、穴水町、輪島市も50％前後。県平均の30・０を大きく上回る。耐震化の旗を振る国土交通省の幹部は『いつまで住み続けるかわからない住宅に、多額の費用をかけ改修する高齢者は少ない。耐震化が必要な住宅ほど手付かずになる悪循環がある』とし、東京大学の広井悠教授（都市防災）は、「高齢者が多く、耐震化が進まない地域は全国にある」「住宅の一部を簡易的に補強し、逃げ込むスペースを確保するような耐震改修に対し、国や自治体が支援を拡充すべきだ」との提言を紹介した。
南海トラフ地震における 知立市の被害想定は深刻
能登半島地震は、いつどこで起きるか分らない地震災害の恐ろしさを改めて突きつけました。南海トラフ地震での愛知・静岡県等の中部７県の死者数の想定は、建物倒壊、津波、土砂、火災により32万人としています。愛知県では約２万３千人、碧海５市では約２千６００人です。
また、知立市の最大被害は住宅全壊が約２千３３０棟、火災による住宅焼失が約１千７００棟に及び、死者数は約２００人と想定されています。
国は現基本計画策定から10年経過に合わせ、今後、新たな防災計画をまとめる方針で、被害想定の見直しがなされます。
木造住宅耐震化率76・７％ 未耐震住宅は２千６３０棟
市は２０１４年の中央防災会議及び愛知県の基本計画に基づき、耐震改修促進計画を策定し、�〔唄嵬畋そ斬陝θ麑畋そ斬陝↓�公共施設や民間施設で多数が利用する建築物、�４躙永�の貯蔵施設等、�っ録免�生時の通行を確保するための道路に接する建築物の耐震化をすすめてきました。表は耐震化の20年段階の現況と目標です。
市担当課によると、現在の住宅の耐震化率は、木造・非木造を合わせて84・７％とのこと、25年度の95％達成には疑問符が付きます。木造住宅の耐震化率は76・７％で、耐震化されていない住宅は２千６３０棟に及び、その多くが能登半島地域と同様に高齢世帯と思われ、特別の対策が求められています。
市は能登半島地震発災後、１月５日、ホームページ上に住宅耐震化の臨時対応を発表。耐震診断、耐震改修などの相談会を２月３日（土）、午前９時から12時まで開催します。
昭和56年５月31日以前建築の住宅対象で、相談は事前予約が必要、建築課へ（95・０１２８）。命を守り、被害を拡大させないため、ご相談ください。
