市政の動き−議会報告
【24.01.14】NO.2210「知立市環境基本計画（改定案）」 共産党知立市議団が意見書提出
計画は行政・事業者・市民の役割を明確にし、結果を評価し、改善できるものに
知立市は昨年12月４日知立市議会全員協議会で、知立市環境基本計画の中間見直しに基づく改定案を説明しました。議員として意見があれば会派ごとにまとめて提出するよう、議長から提起され、日本共産党市議団は１月10日付で意見をまとめ議会事務局に提出。主な内容は以下の通りです。
ＣＯ2排出量の把握は政府データだけでいいのか
改定案では、知立市のＣＯ２排出量の現状については環境省の「自治体排出量カルテ」で行うとしています。その中で示されている各自治体の分野別排出量は、県単位の各分野別排出量を各自治体の人口、分野別生産量、自動車保有状況などで按分した推計値が書かれています。知立市では、電気やガス、灯油、ガソリンなどがどれだけ消費されて、どれだけのＣＯ２が排出されているかの実績値は把握されていません。これでは、市の独自施策による削減結果が把握できず、計画の進捗状況がわかりません。具体的指標としては電力使用量推移や、太陽光発電容量推移、省エネ設備導入量、電気自動車導入量など、実態が把握できる指標で管理すべきです。
知立市エコプランも基本計画に含めるべき
基本計画では大きく分けて「事務事業編」と「区域施策編」から構成されていると書かれているが、「事務事業編」については触れていません。知立市は「事務事業編」は「知立市エコプラン」として別計画として策定し管理していますが、市民にはほとんど知られていません。国は「地球温暖化対策計画」の中で「地方公共団体も保有する建築物等における太陽光発電の最大限導入など率先的な取組を実施すること」を求めています。市が率先実施している姿を市民に示すことが、市民の環境意識を高め、全市的取組にすることに繋がるのではないでしょうか。
なぜ家庭部門の削減計画が高いのか
改定案では２０３０年部門・分野別削減目標を、産業部門38％、業務その他部門51％、家庭部門66％、運輸部門35％廃棄物分野14％としています。なぜ家庭部門が高いのかの説明がありません。基準年である２０１３年の排出量は運輸部門が最も多く、次いで産業部門と家庭部門、業務その他部門とほぼ均等の排出量となっています。成果指標でも、市全体のＣＯ２排出量と家庭部門における排出量削減を重視し、成果指標とするとしています。知立市全体のＣＯ２削減率46％を達成するためには全ての部門で最大限の削減努力が必要で、すべての部門での削減計画を示すべきです。
各部門ごとの ＣＯ２削減計画を提案
家庭部門
�‖斥杆�発電設備実績把握と設置補助施策として、現行の長期優良住宅に対する固定資産税減免制度に加えて、太陽光発電設置建物、土地に対して、固定資産税減免制度をつくる。（設置容量、発電実績、売電量、自家消費量報告と引き換えに）
��刈谷知立みらい電力に、一般家庭に設置されているＦＩＴ終了後電力を接続し、市内のエネルギー自給率を高める。
�４�存建物の省エネ対策補助事業の紹介（窓リノベ事業など）
産業部門
一定規模以上の事業所とＣＯ2削減協力協定を結び、ＣＯ2削減計画や実績の報告を求める。
業務その他部門
エコプランを組み込み、全小中学校に可能な限り、太陽光発電設備と蓄電池を設置し、災害時の避難所機能を強化する。
運輸部門
電気自動車導入国庫補助金制度を活用して普及を進める。
