市政の動き−議会報告
【24.06.23】NO.2230子ども・子育て支援法改正で 少子・高齢化傾向は改善するか
少子化対策は結婚できる収入保障と子育てしやすい環境整備が必要
日本共産党の中島たかし議員は6月14日の一般質問で、子ども・子育て支援法の問題点について質問しました。今回の改定内容は児童手当の対象拡大や妊婦に対する支援が中心です。少子化の最大の原因である婚姻率・出生率の低下に対して、「若者が安心して結婚し、子どもが生まれる」状況を作る為の施策は見当たりません。知立市ができる子育て支援の充実について質問しました。
知立市の出生率は全国平均より高い
日本の出生数は22年に77万人と初めて80万人を切り、23年は更に減少して72万7千人です。合計特殊出生率は1970年代の2・0から23年には1・20になりました。
知立市の出生率は下図のように全国平均より高いものの、22年には1・53まで下がりました。
全国平均より高い理由を質すと、西三河地区は収入が高い人が多く、経済状況で婚姻を控える人が少ないためではないかとの答弁。
高齢化率は全国平均が29%であるのに、知立市は20%程度で若い人が多いことも理由ではないかと指摘しました。
「こども誰でも通園制度」 知立市の現状では困難
国は令和8年度から、3歳未満児の未就園児を対象に保育園等で月10時間程度利用できる「子ども誰でも通園制度」を実施予定です。この事業に対し市は疑問を呈しました。現在公立3保育園で、0歳から5歳児の未就園児を対象に、1日8時間、月3回を限度に「一時保育」を実施、利用率は75%と説明。一方、保育園の待機児童は1歳児の31人です。人手、場所ともに他事業の余裕なしと答弁。中島たかし議員は3歳未満児は入園時には慣らし保育を行い丁寧に行われるが、その時期の子どもの短時間預かりでは保育の名に値しないのではないかと指摘しました。
子育て支援には子育て費用の削減が第一
出生率2・95で全国一の岡山県の奈義町の子育て応援施策には以下のような項目が並びます。
・高校生までの医療費無料
・高校生の就学支援年13万5千円
・奨学金半額返済免除
・在宅育児支援月1万5千円
・保育料2人目半額、3人目無料
現在、保育料無料は3才児以上児と、住民税非課税世帯の児童ですが、最高額の保育料4万6千円対象者は3才未満児の半数に及びます。知立市も二人目半額、3人目は無料ですが、3才未満児の保育料を無料にするには1億4千万円弱、二人目から無料にするには5千万円との答弁。福岡市はすでに二人目からの無料化を実施していることを示し、知立市での実施を求めました。
学校給食費の無償化、高校卒業までの医療費無償化についても、実施を求めましたが、国の動向を見守るとの消極的な答弁。
少子化対策には経済的にも、時間的にもゆとりが必要
結婚するかしないか、子どもを産むかどうかは個人の選択の自由であって、国や自治体が介入することではありません。選択できるようにするには、結婚して子どもを育てることができる賃金が保障されていること、子育て・教育の負担を減らすことが必要ではないかと市長の見解を質すとまったく同感との答弁でした。