市政の動き−議会報告
【24.08.04】NO.2236 ゼロカーボンシティ実現に向けて市長に政策提言書提出
行政・事業所・市民が一体となって 推進するための態勢づくりを
知立市議会の各常任委員会では年間テーマを決め、先進地を視察し、知立市の施策に取り入れるべき政策を市長に提言しています。市民福祉委員会は環境モデル都市に選定された飯田市と伊那市を視察し、7月29日林市長に政策提言書を提出しました。提言内容はゼロカーボンシティ実現に向けて、3項目を提言しています。その提言内容と提言理由をお知らせします。
知立市の地球温暖化対策は遅れている
知立市は「2050年ゼロカーボンシティ宣言」を行っていますが、現在の状況は遅れており2030年までの目標13年度比46%削減の目途も立っていません。
環境省排出量カルテによる知立市のCO2排出量は13年度の41万トンから21年度時点で34万トンと17%しか削減されていません。
「提言第1 ゼロカーボンシティ実現に向けて、行政、事業所、市民が一体となって推進するために、事業者、市民向けの勉強会や意見交換の場を継続的に開催し、地球温暖化対策意識の向上を図ること」
飯田市は内閣府から環境モデル都市に選定されましたが「市民参加による自然エネルギー導入低炭素まちづくり」が選定理由となっています。飯田市では早くから市民出資による「南信州おひさまファンド」が発電事業をスタートさせ、太陽光発電を中心とした自然エネルギー普及拡大を進めてきました。それらの事業を母体としておひさま進歩エネルギー株式会社が平成19年市民出資で設立され、地球温暖化を防止するためのCO2削減事業を行っています。知立でもこうした市民参加の活動が必要ですが、そうした活動の起点となる事業者、市民向けの勉強会や意見交換の場を作ることから始めるよう提言しました。
「提言第2 建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律の施行に伴う「建築物省エネ改修推進事業」を市民に広く周知し、新築に加えて既存住宅における省エネを推進すること。また、知立市に所縁のある太陽熱温水器に係る補助事業に対し、市の単独補助を増額すること」
25年度から施行される建築物省エネ法(改正)で新築建築物には一定の省エネ性能が義務化されますが、既存住宅にも様々な省エネ性能向上のための改築や省エネ設備の設置補助メニューがあります。太陽熱温水器は従来からあった屋根に温水タンクを載せるタイプと、軽量の集熱パネル内を熱媒の不凍液を循環させて地上の温水タンク内で温水を作る強制循環型温水システムがあります。飯田市や伊那市ではこれに設置費用の3分の2(60万円上限)を補助して大きなCO2削減効果を上げています。知立にはそのメーカーがあり、地域産業育成のためにも普及を進めることが必要です。
「提言第3 環境基本計画の概要版として、ゼロカーボンシテイ推進のための市民向けのパンフレットを作成し、ゼロカーボンシティ実現の道筋を示すとともに、各補助項目の概要、費用、メリット、申請方法等をわかりやすく表記する。また、これらを活用して、町内会や業界団体等への説明会を開催することにより、創エネ・省エネ意欲を高めるよう努めること」
飯田市や伊那市では市民が参加しやすい、環境にやさしい生活スタイルや補助の内容や効果を記載したパンフレットを作成しています。省エネ・創エネ設備がどんなものでメリットは何かわかる印刷物を配布することが必要です。