市政の動き−議会報告

【24.09.22】NO.2242 「退職金カット」任期中実現ならず 受取りの可否について明言せず

「市長退職金はどうなる」「貰うのか」「市へ寄付をするのか」市民の立場で質問

   林市長は6月議会、次期市長選挙(11月24日投開票)に出馬しないことを表明しました。日本共産党市議団や他会派の議員へも、少なくない市民から「市長公約の退職金カットはどうなる」「貰うのか」「市へ寄付をするのか」などの声があがっています。日本共産党佐藤おさむ議員は9月議会一般質問で、市長公約である市長退職金カットについて質しました。以下、概要についてお知らせします。

「退職金カット実現する方法を考え公約したのか」

   林市長は2008年11月30日投開票の知立市長選挙で初当選し、今日まで4期在職し、今期で引退します。初めての市長選挙での公約の一つとして市長退職金カットを掲げ、相手候補に大差をつけて当選。選挙公報には、「市長の退職金が1期4年で約2千万円は庶民感覚とかけ離れており、全額をカットします」とあり、市民の共感を呼び当選の大きな原動力となったことは疑う余地はありません。それだけに重い公約であり、公約未達成は市民の期待を裏切ることになります。
 佐藤議員は、「退職金カットを実現する方法を考え公約したのか」と問いました。市長は、「一色町(現在は合併で西尾市)の町長が退職金5割カットの公約を参考にした」と述べるにとどまり、退職金カットの方法、道筋については答えませんした。裏付のない公約だったことが明らかになりました。

一色町長退職金7割カットお手本にならず

 林市長がお手本とした一色町長の退職金7割カットの概要について、佐藤議員は以下紹介、お手本にならないことを指摘しました。2006年1月の幡豆郡一色町(退職手当組合加盟)の町長選挙で都築譲氏は退職金7割カットを公約し当選。都築氏はその公約実現のため、退職手当組合へ納める負担金を3割分しか払わず、退職時に3割分の退職金を請求。しかし退職手当組合は逆に7割分の負担金納を請求。都築氏は3割分の支払を主張し裁判に訴えましたが、西尾市との合併を控え提訴を取り下げ、税金で7割分の負担金を収め、結局、退職金を満額受取りました。お手本になり得ません。

【愛知県退職手当組合とは】

 知立市職員(市長、副市長、教育長を含む)の退職金は、愛知県市町村職員退職手当組合(現在、47市町村等で構成)に負担金を納め、退職時に受け取る仕組みです。市長の退職金は、退職日裁定給料月額に、1月につき100分の39.2を乗じた額に勤続月数を乗じた額(林市長の退職金は下表の通り)。退職金をカットする為には、組合の条例改正が必要。組合議会(14人)の議案となり、過半数の参成が必要です。

市長は退職金公約について今こそ明言すべき

 退職金カットの方法として、市長は退職手当組合の条例改正が必要との認識に達し、条例改正を目指しましたが、今日まで実現できずに12月23日に任期が終わります。退職金は退職後5年で時効となります。1期と2期分は時効中断の措置をとり、3期分の時効中断まで1年です。全額退職手当組合に留保しています(表参照)。
 佐藤議員は任期中の退職金カットは実現できない。放棄するのか受取るのかと質問。市長は「8月に条例改正を文書で要請したばかり」なのでと明言せず。任期中に組合議会はなく改正は日程的にかないません。このままでは市長公約は反故にされることになります。  

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