市政の動き−議会報告
【24.10.06】NO.2244学校給食費無償化を求める請願 14:4の賛成多数で採択
共産党・篤心会・池鯉鮒ク・正和会が賛成、民友ク・公明党が反対
知立市議会は9月30日最終本会議に各議案の討論・採決が行われ、提出された議案と請願、請願採択に伴う意見書が可決されました。
学校給食無償化を求める請願については、民友クラブの神谷文明議員が反対討論、共産党の中島たかし議員が賛成討論を行い、採決の結果、賛成14、反対4の賛成多数で採択されました。
賛成討論、反対討論の内容をお知らせします。
【賛成討論】
全国で広がる学校給食無償化の流れ
23年9月の文科省調査では、全国の3割、547自治体で完全無償化を実施していると発表されました。東京都では昨年度23区が給食費無償化に踏み切り、23区以外の多摩地域では 奥多摩町と檜原村のみでしたが、市長会及び、町村長会が東京都に対し、地域間格差の是正を求めました。東京都は区市町村が無償化を実施する場合、その半分を負担する費用を盛り込んだ新年度予算案を1月に発表しました。それを受けて、最も多い3万8千人の小中学生がいる八王子市をはじめとした未実施自治体で無償化に向けた検討が本格化しています。
青森県は今年10月から県内全ての自治体で無償化を実施します。
近隣市でも豊田市、安城市、みよし市が無償化に踏み切り、給食費無償化の流れは、全国的に広がっています。
無償化は多くの市民の切実な願い
提出された請願には3300筆を超える賛同署名が添えられていますが、請願代表者の意見陳述の中で市民の声を紹介しています。「子どもが3人いる。小中学校9年間の給食費や教材費はとても荷が重い」「家計が苦しい、安心して子育てしたい」「豊田市に住んでいる友人がうらやましい。給食費無償化でとても助かっている。住んでいる自治体で差があるのがおかしい」など沢山の声が寄せられたと述べています。
給食費無償化は少子化対策として国が実施すべき
無償化に踏み切った自治体も「本来国が実施すべき」と述べていますが「財政は苦しいが一日も早く子育て支援をしたい」「市が実施することで国や県が実施することにつなげたい」と述べています。
少子化対策は望む人すべてが結婚し、子どもを産み、育てることができる環境を作ることが必要です。政府は「少子化は我が国が直面する最大の危機である」として子ども子育て支援法を改正し、子どもや子育て世帯を切れ目なく支援することを掲げており、給食費無償化についても何度も望ましいと言明しています。
知立市での無償化は 国を動かす力になる
知立市の令和5年度決算での一般会計実質収支は14億6千万円弱の黒字であり、約3億円かかる給食費無償化ができないとは言えません。この金額も県や国の助成が実現すれば永久に続くものではありません。給食費無償化を実施する自治体が増えれば国を動かす大きな力になります。
【反対討論】
給食費無償化は賛成だが 知立市の財政では無理
民友クラブの神谷文明議員は反対討論で以下のように述べました。
学校給食の質を落とすことなく無償化することにはおおいに賛成である。近隣市の安城市、豊田市、みよし市が実施していることも承知している。しかし、無償化には約3億5千万円かかり、単年度だけなら何とかなるが、毎年では事業費をねん出するのが大変である。国が責任を持つべきであり、市単独事業ではできないので、反対する。