【24.10.20】NO.2246 核なき世界へ実相広め続ける日本被団協にノーベル平和賞
核兵器のない世界の実現に向けた67年余の努力を評価
ノルウエー・ノーベル平和賞委員会は11日、今年のノーベル平和賞を日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)に授与すると発表しました。長年の地道な活動で、被ばくの実相を世界に広げ、核兵器の非人道性を明らかにし、核兵器禁止条約へのうねりを作り出してきた活動が認められたものです。愛知でも、毎年、各自治体に愛知県原水爆被災者の会(愛友会)の方が被爆者行脚で訪問・懇談をして核兵器廃絶及び被爆者への援護施策の拡充を要請しています。
日本被団協は各地の被爆者団体の唯一の全国組織
米軍の水爆実験による第五福竜丸被ばくを契機に、1956年に結成。核兵器廃絶と原爆被害に対する国家賠償を柱に、国内外で活動しています。国連の軍縮会議などに被爆者を派遣し、「ノーモア・ヒバクシャ」と訴え続けてきました。2016年には、ヒバクシャが初めて世界に呼びかけた「ヒロシマ・ナガサキの被爆者が訴える核兵器廃絶国際署名」を開始し、20年までに1370万余の署名を国連に提出しました。こうした国内外での被爆者の訴えが世界の人々を動かし、17年、核兵器禁止条約の国連会議での採択に大きな役割を果たしました。
核抑止力ではなく、核兵器禁止条約への参加を
日本共産党の田村委員長はNHK日曜討論の党首討論で、核抑止は核兵器使用を前提としていると指摘し「核廃絶を呼びかける国にならなければいけない」と主張。「核兵器には核兵器でと構える議論はとても危険だ。核廃絶を理想論扱いして棚上げにする議論は80年代、90年代で終わっている」「核不拡散条約で核保有国は核の軍縮、廃絶に向けた努力義務を約束した。そして(現在は)核兵器禁止条約もある。政府はこの立場に立つべきだ」と語りました。
これに対し、自民党の石破総裁は「米国の核抑止」を強調、核兵器禁止条約の批准には答えず、締約国会議へのオブザーバー参加すら明言しませんでした。世界では核兵器を禁止する大きな流れが生まれ、日本でも地方議会の4割が、条約への参加を求める意見書を採択しているにもかかわらず。
愛友会の被爆者行脚 今年は11月1日に知立市に
愛知県原水爆被災者の会(愛友会)は毎年県内の各自治体を訪問し、核兵器禁止に向けた取組の強化・平和教育の推進と被爆者への援助を求めています。
今年は被爆者行脚が11月1日に知立市に来訪します。ノーベル平和賞受賞の直後、どの様な対談が展開されるか注目です。 昨年は市長が「日本政府に核兵器禁止条約の署名・批准を求める署名」要請に対し応諾しました。
昨年、署名に背を向けた議長の、今年の対応も注目されます。
知立市の被爆者Tさんにインタビュー
中島たかし議員は知立市在住のTさんにインタビューしました。Tさんは16歳で炭鉱から石炭を運ぶ海軍の貨物艇軍属に志願し従事。空襲が激しくなり長崎港で退避していた時に被爆しました。爆風で建物の下敷きになり、救助隊に掘り起こされ、一命を取り留めました。以後、全身がだるくて医者に行っても「原因不明」とされ、大阪で働いていた時に民主商工会の人から被爆者手帳の申請を勧められ、被爆者認定を受けました。96歳の今も皮膚がんや、甲状腺異常で入退院を繰り返しているとのこと。学校で被爆体験を語った時は、当時のことが思い出され言葉に詰まり、うまく話せませんでした。
被団協のノーベル平和賞受賞が
日本の核兵器禁止条約署名に繋がればうれしいと語りました。