市政の動き-議会報告
【24.11.03】NO.2248 介護報酬引き下げで「介護を必要とする〝国民の生活〟が本当に壊れてしまう」
住み慣れた地域で安心して暮らす介護の要 訪問介護、デイサービスの倒産が増加
東京商工リサーチの2024年度上半期「老人福祉・介護事業」の倒産調査によれば、「介護事業者の倒産が止まらず、10月には年間最多を更新する見込みとなった。24年度上半期(4~9月)の95件(前年同月比66・6%増)で過去最多を記録した。特に訪問介護46件と急伸した。人手不足や報酬引き下げなど、介護業界取り巻く経営環境は厳しく、記録的増加が続いている。ディサービスも33件と前年同月比で倍増した」と警鐘をならしています。
「地域から訪問介護がなくなってしまう」
東京商工リサーチは介護事業者の倒産の原因について、売上不振が67件で最も多く、小・零細事業者の行き詰まりが多いのが特徴としています。そして、小・零細事業者が多い業界であり、「小・零細事業者への国などによる支援は欠かせない。支援がなければ、倒産が更に加速する可能性が高いとしています。
日本医療労働組合(医労連)は、24年度の訪問介護の報酬2~3%の報酬引き下げの影響調査(全国182事業所)結果を公表。現時点の影響回答は、「経営悪化68%、新規職員の採用困難38%、夏のボーナス減額27%(複数回答)。今後の影響については、「経営悪化76%、新規職員の採用困難45%、ボーナス減額が36%」と回答。医労連は、「介護を必要とする〝国民の生活〟が本当に壊れてしまう」「地域から訪問介護がなくなる」と指摘しています。
人手不足、賃金安く仕事の満足度も低い実態
知立市では知立市社会福祉協議会が人材不足で居宅介護支援事業(ケアマネセンター)、訪問介護事業から撤退し、ディサービスも赤字等を理由に今年度末で閉鎖します。公益在団法人介護労働安定センターの令和5年度「介護労働実態調査」(表参照)の事業所調査では、全国及び愛知でも訪問介護員(ヘルパー)不足が深刻な実態であり、今後、介護報酬引き下げによる倒産・撤退が市内事業所でも懸念されます。また、訪問介護員を除く介護職員の不足も深刻であり、ディサービス事業所の閉鎖もあり得るのではと心配されます。
市は介護報酬引き下げ撤回を国に求めよ
同調査では、「仕事の内容・やりがい」の満足度は38%台と他の項目より高いものの、「賃金及び人事評価・処遇改善」の満足度は全国、愛知ともマイナス状況、全体の満足度も10%以下(表参照)で賃金を含めた処遇改善は待ったなしです。しかし、訪問介護事業は小・零細事業者が多く介護報酬の引き下げ分を販売価格に転嫁できずに経営悪化、廃業が懸念されます。
元ケアマネAさんは、「介護崩壊寸前」といいます。訪問介護及びディサービスは地域包括ケアの要であり、崩壊を招いてはなりません。市は国に報酬引き下げ撤回を求めるとともに、市内事業所の実態調査及び必要な支援を行うべきです。