市政の動き－お知らせ

【25.01.26】NO.2259 これでいいのか！食料自給率38％ =消費者も生産者も安心できる農業と食料を=

小規模・家族農業が世界の主流国もみどりの食料システム戦略を示す

　１月19日中央公民館議室で九条の会ちりゅう主催（知立市と教育委員会後援）の講演会がありました。テーマは「これでいいのか！食料自給率38％」、直面する多重危機の一つである農業と食料について、愛知学院大・関根佳恵教授が講演。世界的にも食糧危機が叫ばれる中で、異常に低い日本の食料自給率の向上と、農業のめざすべき方向について有意義な講演でした。その概要と国の「みどりの食料システム戦略推進総合対策」についてお知らせします。

国連「家族農業の10年」

　国連は２０１７年に「国連家族農業の10年」という決議を採択し、食料不足問題への取組として、家族農業に関する政策を展開し、改善・実施するとともに、経験や最善の方法を共有することをすべての国に奨励しました。　

日本も世界も家族農業が大半を占める

　下の表は農業経営体に占める家族農業の割合を示したものですが、日本も世界も農業経営体全体の96％を占めています。

持続可能な農と食アグロエコロジーとは

　アグロエコロジーとは農業と生態学の英語を組み合わせた言葉で、作物を育てるための土壌づくりに土中の微生物などの力を借りる手法を言います。農薬不使用はもちろんのこと肥料や堆肥、防虫作業も行わず野菜の栽培が可能になるのだという。

地球環境に配慮した持続可能な農業とは

　これまで日本政府は大規模農業で大型機械を使い、生産性を上げて、儲かる農業を推奨してきました。農薬を使い、化学肥料を使うことで土壌の力が弱まり収穫量が減ります。大型機械を使うことでＣＯ 2の排出も増えます。しかも農家人口はどんどん減り、中山間地では集落が消えて、学校も病院も無くなり、人が住めなくなり、農業もできなくなります。国連の決議はＳＤＧsの精神で、女性を含む小規模・家族農家のコミュニテイを大事にした、環境と健康に配慮した持続可能な農業を推進することを求めています。

有機農業の推進に関する法律（平成18年制定）

　この法律は有機農業の推進に関し、基本理念を定め、国と地方公共団体の責務を明らかにし、有機農業の推進に関する施策を総合的に実施して、有機農業の発展をはかることを目的としています。この法律の基本理念は①農業の持続的な発展と環境と調和のとれた農業生産の確保により、農業者が容易に従事することができるようにする。
②消費者が安全かつ良質な農産物である有機農産物を入手できるようにする等で、国及び地方公共団体に有機農業の推進に関する施策を総合的に策定し、実施する義務を定めています。