【25.06.15】NO.2277 女性トイレに行列は当たりまえか? ジェンダーギャップ解消を
トイレ格差問題を国会で質問=井上さとし参議院議員 便器設置の国際的基準は男性1:女性3を推奨
知立市議会は6月9日に本会議を開催。補正予算計上の福祉体育館2階アリーナの西側トイレ改修工事設計委託料(671万円)について、篤心会の神谷定雄議員が改修内容等について質問、日本共産党佐藤おさむ議員はトイレのジェンダーギャップ(男女格差)問題について質問しました。以下、概要をお知らせします。
福祉体育館2階アリーナの西側トイレ洋式化へ
神谷議員の質問に対して、市は「トイレ建設時は和式で40年を経過し、利用者からは様式への要望もあり、便器を様式化するとともに、非接触型の水栓にすることで感染症対策にもなる。床は乾式とすることで、運動靴を脱がずに出入り可能となる」また、「2026年開催のアジア・パラリンピック(愛知県開催)の組織委員会からバスケットボールの練習会場として使用要請があり、外国人には和式がなじまないこともあり、この機に洋式化する。事業完了は26年の夏前」との答弁がありました。今回の改修への予算化は一歩前進ですが、2階東側トイレ及び3階と地下のトイレは和式のままであり、計画的改修が求められています。
ジエンダーギャップの解消を表明=石川市長
佐藤議員は、改修をするものの便器数は男性トイレが小便器5・個室3に対して女性用トイレは個室6であり、女性用トイレが少ないと指摘。イベントなどで、男性用トイレに比べ、女性用トイレは列をなしている状況があっても当たり前のように思ってきたが、当たり前でないことが判ったと述べ、女性は生理などがあり、個室利用に時間がかかるうえに、男性用トイレに比べ便器数が少ないのが現状。今後のトイレ整備において、トイレのジェンダーギャップの解消を目指すべきと提案し、石川市長の見解を求めました。
石川市長は、「女性が列をなしている状況を当たり前のように思っていたが、トイレの数を見直すことには同感。新しく整備するときには、そういう考えを取り入れることが重要」とジエンダーギャップ解消の認識を示しました。佐藤議員は、小中学校を含む公共施設の便器数の調査(利用状況)及び駅前公園など新たな施設整備おけるジエンダーギャップ解消を強く求めました。副市長は、「しっかりと考え研究していきたい」答弁しました
2023.5.9、参院内閣委員会で質問
井上さとし参議院議員(写真:比例予定候補)は、2023年5月9日の参院内閣委員会で女性トイレ問題を質問。女性トイレ利用時間が男性の2.5倍かかるという国内での調査や英国の王立公衆衛生協会が2019年に出した報告書では、トイレへのアクセスの平等は重要な要素だと指摘し、衣類、月経、解剖学的な違いから時間が掛かるので、トイレの提供比率は少なくとも2対1で女性に有利になるのが公平なところだと主張しております。
山口県の萩市では、公共施設のトイレに係る整備方針で、男性小便器数と女性便器数の比はおおむね1対2とする目標を掲げて取組んでいる。トイレの男女比の目安になる考え方というのは是非示していただきたいと改善を要求しました。
また、国際基準(スフィア基準:人道憲章と人道対応に関する最低基準)では3対1であると指摘、改善を求めました。「スフィア(sphere)」とは、英語で「球体」を意味し、地球上のどこであっても通用する国際的な基準であることを表しています。