【25.07.13】NO.2281 OTC類似医薬品の保険適用外しを画策 子ども医療費無料制度が骨抜きに?
自民・公明・維新が保険外しで合意、国民民主も保険外しを画策 患者負担の増大は許せない
6月11日、自民・公明・維新が3党合意文書で、OTC類似薬(左囲み参照)を保険から外す「見直し」を打ち出し、国民民主党も昨年の総選挙政策で公的医療保険の対象から外す見直しを公約。これが強行されれば、解熱薬、せき・たんの薬、抗アレルギー剤、アトピー治療用の軟こうなどを、患者が市販薬を市場価格で買わされることになり、医療団体は患者負担が「20倍〜70倍に跳上がる」と告発。日本アトピー協会等の慢性疾患の患者7団体も反対の声をあげています。
保険適用外で、子どもも高齢者も負担が激増
知立市の国民健康保険、福祉医療、後期高齢者医療の令和5年度実績では、病気による受診件数は約8万6601件で、喘息などの呼吸器疾患が9449件(14・3%)、皮膚及び皮膚組織の疾患が5019件(5・8%)を占めています。多くが慢性的な疾患と思われ、継続的治療を必要とします。喘息やアトピー性皮膚炎などは、OTC類似薬を医師から処方されており、保険適用から外されると子どもから高齢者まで経済的負担が激増(下表参照)します。
《OTC類似薬とは》
OTC医薬品とは、OTCは「Over The Counter」の略で、カウンター越しに販売される市販薬。OTC類似薬とは、OTC医薬品と成分や効果が類似しているものの、原則、医師の処方箋が必要な医療用医薬品を指し、公的医療保険の給付対象で、患者の自己負担は1〜3割程度です。
特定非営利活動法人日本アトピー協会が6月26日にアトピー性皮膚炎の治療に必要な薬をこれからも保険適用を継続することを求めるオンライン署名を開始。「自らの判断で購入し、副作用が発生したことも過去に何度も起こっている」と指摘。「OTC類似薬が保険適応外となれば、長期治療が必要な患者さんの経済的負担が大幅に増え、治療が継続できない事態が発生することは明らかです」と保険外しの弊害を告発(下欄参照)しています。
日本アトピー協会:保険適用の継続求めオンライン署名を開始
特定非営利活動法人日本アトピー協会が6月26日にアトピー性皮膚炎の治療に必要な薬をこれからも保険適用を継続することを求めるオンライン署名を開始。
(同団体HPより、署名趣旨を抜粋)
皮膚科・小児科専門医が症状を診なくては、適切なお薬は処方出来ません。通院することは、お薬と症状の答え合わせの意味もあります。自らの判断で購入し、副作用が発生したことも過去に何度も起こっています。
OTC類似薬が保険適応外となれば、長期治療が必要な患者さんの経済的負担が大幅に増え、治療が継続できない事態が発生することは明らかです。
知立市からも保険適用継続の声を上げるとき
知立市は10月から子ども医療費の無料化を18歳年度末まで拡大します。子育て世代から歓迎の声が上がっています。しかし、OTC類似薬が保険適用から外されると、自己負担が発生、子ども医療費無料制度が骨抜きにされます。また、難病患者など公費負担医療の助成対象外になります。少子化対策に逆行するだけでなく、難病患者などの命に直接係る事態となりかねません。
知立市から保険適用外し反対の声を上げるときです。