市政の動き−議会報告
【25.10.05】NO.2292 加齢性難聴の原因・予防・治療 県下で進む補聴器購入補助
自分では気づかない加齢性難聴 補聴器使用は難聴の進行を遅らせる
９月16日の一般質問で中島たかし議員は加齢性難聴対策について質問しました。加齢性難聴の特徴は両耳が同じように、高音域の聴力が年齢と共に緩やかに低下していくため初期においては症状として自覚されにくい特徴があります。定期検診での早めの自覚と補聴器の使用で進行を遅らせることができます。
加齢性難聴とはどのようなものか
加齢性難聴は本人にはほとんど難聴の自覚がないにもかかわらず、「最近テレビの音が大きくなった」と同居の家族から指摘されることで自覚することが多い。高い音が聴きにくくなることで体温計や電子レンジの信号音が聴きにくくなります。言葉の中でも子音の聞き取りが困難になり、「位置」と「基地」のように母音が同じ別の言葉に聴き間違えることがあります。こうした場合「音は聞こえるけれど何を言っているのかわからない」「聴き間違いが多い」として自覚されることもあります。こうした症状はしばしば耳鳴りを伴って自覚されます。難聴によって音の刺激が脳に伝わりにくくなると耳鳴りに対する感受性が上がることで耳鳴りを自覚しやすくなります。
加齢性難聴の原因は
音を感じる「マイク」の働きをする器官である内耳には「コルチ器」という構造があり、その中にある音のセンサーである「内有毛細胞」の形が変わることが加齢性難聴の原因です。この場合には低音の聴力は良好で、高音域により強い難聴が生じます。「コルチ器」は基底版と呼ばれる構造の上にあるが、基底版が加齢によって硬くなることも難聴の原因になります。
加齢性難聴の予防方法 治療方法はあるか
加齢性難聴を予防するには「有毛細胞を守ること」現在の医学では一度損傷した有毛細胞を再生することはできません。今ある有毛細胞を守り、これ以上減らさないことが難聴を予防するうえで重要です。予防方法は次の５つです。
�‖腓�な音を避ける。85デシベルの音は15分聞くことで耳を傷めます。
�⊆�を休める。有毛細胞が休む時間が無いと疲労がたまる。
�９盞谿機�糖尿病等の生活習慣病も聴力に悪い影響を与える。
�ぅ丱薀鵐垢亮茲譴真�事をする。
�ヅ�度な運動をする。
補聴器と集音器の違いは何か
集音器はすべての周波数の音を拡大するので雑音も拡大し、聞こえている音域は耳に負担をかける。補聴器は聞こえない周波数だけを拡大するので全体の音は大きくならず、耳への負担も増えない。早い段階で補聴器を装着することで耳への負担を減らし、難聴の進行を遅らせることができる。
定期的な聴力検査で 早めに補聴器使用を
難聴は自分では困らないことが多く、プライドもあって自ら検診を受ける人が少ない。難聴は70デシベルを超えると補聴器をつけても聞こえなくなると言われています。加齢性難聴と認知症の因果関係も明らかになってきており、難聴の早期発見による重度化を防ぐ意義は大きいことを指摘し、定期検診の項目に加えることを要求しました。
県下で進む補聴器補助 知立市も補助制度を
集音器は価格も安く、テレビでも宣伝されて多くの人が使用しているようですが補聴器は10万円台から50万円を超えるものまである。調整と慣れるのに２カ月近くかかり、認知症が進んでからでは使用を嫌がり効果がありません。近年多くの自治体が補助事業を開始しており、愛知県では開始予定自治体を含めると半数以上の28自治体に達しています。西三河では岡崎市、刈谷市、安城市、みよし市、豊田市が実施に踏み切っています。知立市議会市民福祉委員会の今年度政策提言項目でもあり、直ちに実施すべきと要求しました。
