【25.10.19】NO.2294 樹木を増やし心地よい街に 公園・街路樹の緑で、気候危機対策
知立団地外周道路の街路樹 剪定時期を遅らせ酷暑対策に
知立団地外周道路には街路樹としてナンキンハゼが増えられています。例年は台風シーズン前にすべての枝葉が剪定で落とされていましたが、今年は現在まで多くの葉が茂っており住民から喜ばれています。このまま紅葉するまで残してほしいとの声が寄せられています。
剪定時期を早くしている理由は落葉対策
これまで暑さの残る9月前の剪定に「何のための街路樹か、幹しか残っていない(左の写真)のでは意味がない」と批判の声が寄せられていました。こうした声を市土木課に伝えると「落葉の掃除が大変だから落葉の前に剪定せよ」との苦情が寄せられているので早めに剪定しているとの事でした。街路樹に落葉樹を採用している都市は多く、東京の神宮外苑の銀杏並木は観光の名所にもなっています。知立団地外周の昭和3丁目地内には桜も植えられています。桜の落葉期間は長くて、9月から11月まで続きますが、桜並木に面した家庭には落葉を入れるポリ袋を土木課から支給してもらい、処理しています。桜の紅葉はあまりきれいではありませんが春の桜を愛でることができる代償として住民の方が協力しています。
細い枝葉を残し、紅葉を楽しめるよう要請
中島たかし議員は、剪定にあたって、すべての枝葉を切らずに大きな枝を切って樹形を整え、細い枝葉を残すよう土木課に要請しました。市の担当者は住民の了解が得られるなら検討するとの回答でした。本来、街路樹の管理は落葉も含めて市の責任で行うべきで、街路樹が吸収した炭酸ガスを、焼却で大気に戻さないためにも剪定枝を減らし、剪定枝をチップ化して地中に戻すことを議会でも提案しました。
ナンキンハゼは紅葉すると真っ赤になり白い実もつけます。美しい並木道を保つためにも剪定方法の見直しを求めます。
街路樹の植替えにも 環境配慮を
知立市は現在、県の補助事業を使って「美しい並木道事業」を進めています。これまでに牛田・西中線と南陽通りの昭和地区より西側のナンキンハゼを伐根してコブシやハナミズキに植え替えています。今年度から昭和地区のナンキンハゼも植え替える計画になっています。植替えの理由はナンキンハゼが老木化し、倒木や枝枯れの恐れが有るためとしています。しかし、木の状態は様々でまだ植替えが必要ではない木も多くあり、木陰をできるだけ保てるように、すでに樹木が無くなっているところやどうしても植替えが必要な木から植替え、街路樹の機能を失うことが無いよう建設水道委員会質疑で求めました。
アーバンフォレストで 気候危機対策
アーバンフォレストとは都市部とその周辺の街路樹、公園や私有地の樹木も含め「都市全体に散在する樹林の総体」を指します。気候変動やヒートアイランドへの対応、洪水リスクの低減、地域の回復力強化といった「グリーンインフラ」に位置づけられ、欧米をを中心に都市計画の一部として積極的に採用されています。日本共産党は樹冠被覆率(枝葉の茂る部分が地面を覆う割合)と緑被率(緑地の面積割合)の二つの目標を国として定めるよう要求しています。日本では枝葉を小さく切られた街路樹も多く、樹冠被覆率を高めるアーバンフォレストとは逆行しています。公共交通が発達した大都市では、人が歩きやすい街という視点から樹木の大切さが見直されています。街路樹が多く、歩行空間に余裕のある街には人が集まり栄える傾向があります。知立駅周辺再開発計画にもこうした観点が必要です。